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SPACECOOL/鴻池運輸等と実験、放射冷却で荷台の温度低下

2022年06月09日/IT・機器

SPACECOOL(スペースクール)は6月9日、ゼロエネルギーで冷却できる放射冷却素材「SPACECOOL」を活用し、日野自動車、鴻池運輸、鈴与、エコトラックなどの物流関連パートナー12社と、物流業界の暑熱環境の改善や、カーボンニュートラルの実現などの課題解決に向けた実証実験を2022年夏に開始すると発表した。

<放射冷却素材「SPACECOOL」を施行した車両のイメージ>
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SPACECOOL社は、ベンチャーファンドのWiL Fund II, L.P.(出資比率51%)と大阪ガス(49%)が2021年4月に設立した合弁会社。

実証実験では、パートナー12社から協力を得て、容量、走行パターン、荷台の温度帯(冷凍、冷蔵、常温)が異なるトラック車両を用意。荷台の天面や側面に「SPACECOOL」を貼り付け、施工した車両と施工していない車両で各地域を走行荷台内部の温度上昇の抑止効果や、燃料消費量、CO2削減効果を比較評価する。

<SPACECOOL>
20220609spacecool1 520x313 - SPACECOOL/鴻池運輸等と実験、放射冷却で荷台の温度低下

「SPACECOOL」は、直射日光下で太陽光と大気からの熱をブロックして熱吸収を抑えるだけでなく、放射冷却の原理で熱を逃がすことにより、エネルギーを用いずに外気温よりも温度を低下させることができる。

素材は粘着剤付きの光学フィルムで、トラック車両の荷台に短時間で施工が可能。素材の上からインクジェットプリンタやレーザープリンタでデザインを施すこともできる。色は「銀」と「白」の2色を開発済み。

<トラックでの実験結果(左:施工済み、右:施工なし)>
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SPACECOOL社は、2025年日本国際博覧会協会と大阪商工会議所が実施する「夢洲における実証実験」に大阪ガスを代表法人として採択され、2021年8月26日から夢洲万博会場予定地や大阪ガスのエネルギー技術研究所などで、2トントラックの荷台の外装に「SPACECOOL」を施工し、荷台内部の温度上昇を抑制する効果を検証した。その結果、天井温度は40℃程度、内部温度は10℃程度低下することを確認している。

今夏の実証実験では、実走行環境下での効果を実証し、トラックや物流倉庫などへの「SPACECOOL」の普及促進につなげる狙い。「SPACECOOL」によってトラックドライバーの熱中症予防や、高温による貨物の劣化防止、アイドリングストップ時の温度上昇の緩和といった暑熱環境の改善や、省エネルギーやCO2削減などカーボンニュートラルの実現に寄与することを目指す。

■放射冷却素材「SPACECOOL」の主な仕様
サイズ(幅×長さ):1250mm×25m
厚み(代表値):110μm(粘着剤含む)
重量(代表値):145g/m2
太陽光反射率:>95%
放射率(8-13μm):>95%

SPACECOOL/日新の新物流ソリューションに新素材「SPACECOOL」採用

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