三井E&Sと苫小牧栗林運輸と日野自動車は3月5日、国土交通省の令和5年度港湾技術開発制度である「コンテナヤード内横持トレーラー運行の高度化に関する技術開発」の実証実験を1月11日~13日に苫小牧港東港区苫小牧国際コンテナターミナルで実施したと発表した。
<「コンテナヤード内横持ちトレーラー運行の高度化に関する技術開発」実証実験動画>
港湾では、物流の2024年問題を起点とする労働力不足の深刻化に加え、苫小牧港をはじめとする地方港においては作業者の高齢化も進行しており、労働環境の改善、安全性の向上、さらには次世代を担う若い働き手の確保が必要になっている。
こうした課題解決に向け、苫小牧港での港湾物流を担う苫小牧栗林運輸、車両を提供する日野、コンテナターミナルマネジメントシステムを構築する三井E&Sの3社は、船から降ろしたコンテナの蔵置場所までの運搬および、蔵置場所から船積み場所までのコンテナ運搬を行う横持ちトレーラーの運行を高度化する実証実験を行った。
現在、港ではドライバーが紙の指示書に基づき車両運行を行っているが、実証実験では運転補助機能付きの横持ちトレーラーがターミナルオペレーションシステム(以下 TOS)からの作業指示を受けて運行する。これにより、乗員は作業負担が軽減され、走行時の安全確保に集中することができる。
このように高度化した運行を実際のオペレーションを通して実施し、検証することによって、開発した技術の作業性・有用性を確認した。
検証内容は、TOS、車両管制システム、車両のデータ連携、ガントリークレーンやRTGといった港湾資機材への正着連携、車外からの車両管制端末による車両前後調整やコンテナ向きの違いに対応する車両転回など実オペレーションに即した運用。
また、大型トラック「日野プロフィア」をベースにGNSSデータや複数の3DLiDAR、白線検知カメラなどの運転補助機能を搭載している。これらを複合的に活用することで、刻々と変化する港湾の環境においても自己位置把握や港湾機器への正着を可能にした。
苫小牧港における更なる労働環境改善に向け、今回の実証実験で洗い出された課題の改善と車両およびシステム連携技術の開発、改善を令和7年度も引き続き推進していくとしている。
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