近鉄エクスプレスは11月10日、全日本空輸（ANA）の産業バリューチェーンでのCO2排出量削減を目的としたプログラム「SAF Flight Initiative」で、CO2排出量削減に関する新たな契約を締結したと発表した。
SAF（Sustainable Aviation Fuel）は、バイオマスや廃食油、排ガスなど原材料の生産・収集から製造、航空機エンジンでの燃焼までのライフサイクル全体のCO2排出量を従来の航空燃料と比較して約80%削減することが可能とされている持続可能な航空燃料。
今回、近鉄エクスプレスは、ANAが運航する航空機で使用するSAFの利用促進にあたり、2022年10月～2023年3月において近鉄エクスプレスがCO2排出量換算で約1000トンを削減する内容の契約を締結した。
近鉄エクスプレスは、利用実績に基づいて第三者認証機関から検証を受けたCO2排出削減証書をANAから受け取り、温室効果ガス排出量の算定・報告の国際基準であるGHGプロトコルにおけるCO2排出量（スコープ 3）を削減する。
両社は、産業バリューチェーンにおけるCO2排出量削減を目的とするANAのプログラム「SAF Flight Initiative」の第一弾として、2021年9月に実施された日本発では初めてSAFを利用した貨物専用便の運航（成田発フランクフルト向け）を機に協業を開始し、具体的かつ継続的なSAF利用スキームの構築に向けて議論を深めてきた。
今後も、航空運送事業者であるANAにとっての直接的なCO2排出量（スコープ 1）と、利用航空運送事業者である近鉄エクスプレスにとって最大の排出である間接的なCO2排出量（スコープ 3）の削減に向けて、地球温暖化や気候変動に対する具体的な活動をともに進めていくとしている。
