商船三井は4月17日、同社が保有し、商船三井のグループ会社であるフェリーさんふらわあが運航する日本初のLNG燃料フェリー2隻のうち、2番船「さんふらわあ むらさき」が就航したと発表した。
同船は、今年1月に就航した「さんふらわあ くれない」の姉妹船で。既存船「さんふらわあ こばると」の代替として、大阪南港さんふらわあターミナル(大阪府)と別府国際観光港(大分県)を結ぶ、大阪~別府航路を運航する。
<「さんふらわあ むらさき」が就航>
同船は既存船に比べて、貨物輸送と旅客輸送の両面で輸送力と利便性が向上した。貨物輸送においては、トラックの積載台数を大幅に増やし、ドライバーズルームを拡充したことで、ドライバーに快適な空間を提供する。
また大浴場の面積を2倍にし、レストランの席数を1.5倍に拡大、3層吹き抜けのアトリウムをはじめとしたゆとりある開放的なパブリックスペースを設置するなど、「カジュアルクルーズコンセプト」を更に拡充した。
<同船内装>
同船は、LNGと重油それぞれを燃料として使用できる高性能Dual Fuelエンジンを搭載し、環境に配慮した仕様を採用している。また、LNG燃料を使用することで、二酸化炭素(CO2)を約25%、硫黄酸化物(SOx)を100%、窒素酸化物(NOx)を約85%、排出削減する効果が見込めるという。
商船三井グループは、2050年までのネットゼロ・エミッション達成を目標にしており、クリーン代替燃料の導入推進の一環として国内外でのLNG燃料の導入を進めている。今後LNG燃料船の導入をさらに拡大し、GHG総排出量削減に向けて加速させ、グループ一丸となり、低・脱炭素化社会の実現に貢献していく。
なお、フェリー事業においては、商船三井100%出資連結子会社である商船三井フェリーと、フェリーさんふらわあの事業統合を決定しており、2023年10月1日から新会社の営業を開始する。LNG燃料フェリーは、フェリーさんふらわあの就航済2隻に加え、商船三井フェリーが大洗~苫小牧航路で既存船の代替として、2025年に2隻を就航予定で、フェリー新会社で計4隻を運航する。新たな商船三井グループ経営計画「BLUE ACTION 2035」では、フェリーを含めたウェルビーイングライフ事業を非海運分野の柱に育てることを目標に掲げている。
■既存船との比較
くれない/むらさき 本船 |
あいぼり/こばると 既存船 |
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乗客数 | 716 名 | 710 名 |
トラック積載可能数(13m 換算) | 137 台 | 92 台 |
航行速力 | 22.5 ノット | 22.4 ノット |
全長 | 199.9m | 153.0m |
総トン数 | 17,114 トン | 9,245 トン |
燃料 | LNG/重油 | 重油 |