東京貿易ホールディングスは8月17日、グループ会社であるTBグローバルテクノロジーズ(TBG)が日本の最大手海運会社である日本郵船(NYK)と、舶用アンモニア燃料供給用にバンカリングブームを共同開発する基本合意契約を8月16日に締結したと発表した。
NYKが開発を進めるアンモニア燃料供給船(Ammonia Bunkering Vessel, ABV)に、同社が開発を進めるバンカリングブームを搭載することにより、船舶の脱炭素化に向けて2020年代後半から普及が進むと予想されるアンモニア燃料船への燃料供給における安全性、効率性に大きく寄与する。アンモニア用バンカリングブームの開発は、日本初の試みになる。
ホース単体での運用は、ねじれに弱く、耐久性や信頼性が低くなる傾向があるが、このバンカリングブームは信頼性の高い鋼管、スイベルジョイント、ホースを組み合わせることによって、より安全で、効率的な荷役オペレーションができることが特徴。また、緊急時に船舶間の接続を切り離せる緊急離脱装置(ERS)が付属しているが、ERSが発動した場合でも、アンモニアの海上への漏洩を最小限にする構造を採用している。
アンモニアは燃焼しても二酸化炭素(CO2)を排出しないため、地球温暖化対策に貢献する次世代の船舶用燃料として期待されているが、一方で高い毒性を持つことから、船舶用の燃料として使用する際には漏洩を確実に防ぐことが必須。
TBGはより良い世界の未来を目指し、未知のソリューション創出に果敢に挑戦し、「技術力・製造力・事業力」を養い強い開発チームに成長することで、エネルギー社会の持続的な発展に貢献し、ステークホルダーに価値を提供し続けるとしている。
商船三井/ダイナミック ポジショニングシミュレータを使用した訓練