国土交通省総合政策局運輸審議会審理室は2月29日、斉藤鉄夫国交相から2024年1月10日付けで運輸審議会に対し諮問があった「一般貨物自動車運送事業に係る標準的な運賃の告示事案」について、「標準的な運賃として適当である」と答申したと発表した。
物流の2024年問題や人手不足が懸念されるなか、一般貨物自動車運送事業の健全な運営を確保し、貨物流通の維持向上を図ることを目的に、平均8%の運賃引上げなどを盛り込んだ見直しを加えた標準的運賃の告示案について、公聴会で審議を行った。
その結果、「標準的な運賃として定めることが適当である」との結論に達し、一般貨物運送事業者の直近の原価調査結果、足下の燃料価格、全産業平均の人件費単価等を用いて算出した原価に利潤を足し合わせた運賃表(距離制・時間制)を、車種別・地方ブロック別に設定した。
荷待ち・荷役等の対価についても標準的な水準を提示し、「待機時間料」や、荷役時間料ごとの「積込料・取卸料」「付帯業務料」を設定。有料道路・フェリー利用料等運送以外の役務については、運賃とは別に実費として収受することなどを明記した。燃料サーチャージについては、燃料価格の高騰を踏まえ、基準価格を120円/Lとした。
審議会は、今回見直された標準的な運賃が有効に活用されるよう、国土交通大臣に対し、関係省庁や関係団体と連携して一般貨物自動車運送事業者、荷主、一般消費者に対して周知・徹底を図り、理解と協力を求めることを要請。
また、標準的な運賃の活用状況について監視を強化し、適正な取引を阻害する疑いがある荷主等に対し働きかけや要請等を行うことで、実効性を確保することなどを求めた。
■「一般貨物自動車運送事業に係る標準的な運賃の告示事案」に対する答申(国交省)
https://www.mlit.go.jp/common/001726238.pdf