木村化工機は国産SAFの商用化と普及拡大に取り組む有志団体「ACT FOR SKY」に加盟し、SAF(Sustainable Aviation Fuel)のサプライチェーン構築に貢献する。
<省エネ型ヒートポンプ式バイオエタノール蒸留装置イメージ図>
航空業界は脱炭素化に向けて動き出しており、ICAO(国際民間航空機関)やIATA(国際航空運送協会)が2050年までに2005年比で二酸化炭素の排出量の半減を目指している。2050年の環境目標を実現させるには、関連する産業が横断的に協力して、SAFの製造技術開発、生産および利用を進め、2030年には使用燃料の10%をSAFへ移行することが必要とされている。
国土交通省も2030年には「本邦エアラインによる燃料使用量の10%をSAFに置き換える」という目標を定めている。ところが、2020年の世界のSAF供給量は、世界のジェット燃料供給量の0.03%に留まっているのが実情。
これまでSAFの蒸留プロセスにはボイラ蒸気が使われてきたが、持続可能な燃料SAFを蒸留する際にボイラによって大量のCO2を排出することが課題となっていた。
同社が発明した「省エネ型ヒートポンプ式バイオエタノール蒸留装置」は、ボイラ蒸気を不要とし、電力のみで蒸留を行う。ヒートポンプを採用しており、装置から排出される低温レベルの熱をヒートポンプで回収し、有効エネルギーとして再利用する。原子力または再生可能エネルギー由来の電力を使用すれば、CO2排出量ゼロで、SAF原料を蒸留することができる。