イオン、ツルハホールディングス(HD)、ウエルシアホールディングス(HD)は4月11日、資本業務提携に関する最終契約と経営統合に関する株式交換契約に合意した。3社は国内外におけるヘルス&ウエルネス事業の強化を目的に、2024年12月に基本合意を締結。統合により海外展開や商品調達での連携、共同配送など物流効率化にも取り組む。
<左からイオン吉田社長、ツルハHD鶴羽社長、ウエルシアHD桐澤社長>
ツルハHDとウエルシアHDは12月1日付で経営統合し、ウエルシアHDはツルハHDの完全子会社となり、11月27日に上場を廃止する予定。なお両社の統合により売上高2兆3124億円、店舗数5659店を有する日本最大のドラックストアチェーンとなる。
イオンは、ツルハHDの株式を野村証券より323万株追加所得し、既に保有している株式と合わせて1320万5200株となり、所有割合は26.83%となる。これにより、ツルハHDはイオンの持ち分適用関連会社となるが、上場は維持する。
今回の契約において、3社は商品等の調達における連携や、PB商品の開発加速・品揃え強化による収益改善、共同配送による配送ルートの最適化、削減のほかDX・ECの推進等9つの項目で業務提携に合意。経営統合後、3年で約500億円のシナジー効果を見込んでいる。
イオンの吉田昭夫社長は「店舗、物流、情報などスケールメリットを生かし、異なる成長曲線を描かないと生き残れない時代になった。とりわけ、当社の持つ食品のノウハウは(新ツルハHD)の大きな事業成長に資する」と意気込む。
物流においては、「共同配送や配送センターの共同利用等により物流効率を最適化し、また、将来的にはイオングループの物流機能との連携を進めることで、配送コストの削減につながる」との考えを示した。またイオングループ、ツルハグループ及びウエルシアグループ間で商品等の調達における連携についても、合同商談や共同配送、共同販促等を強化し、競争力向上を目指すとしている。
イオンは今後、提携を通じ自らが保有するツルハHD株式に係る議決権の数の割合が50.9%となるようツルハHDの株式を取得し、ツルハHDを連結子会社とする方針。ツルハHDはイオングループのヘルス&ウエルネス事業を牽引する中核子会社となる。
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