つながりAIとココネットは5月9日から、配送ドライバーの孤独感を解消し離職防止につなげようと、対話型AIが相談や雑談に応じる実証実験を共同で始める。
つながりAIは、AI技術で社会課題を解決するスタートアップ企業。相談業務に生成AIを活用することで、孤独・孤立の悩みを傾聴するチャットサービスを開発したり、自治体などに相談支援サービスを提供したりしている。
実証実験では、つながりAIが、対話型AIシステム「同僚AI」を提供。セイノーホールディングスのグループ会社、ココネットは、自社のラストワンマイル配送現場でドライバー向けに導入し、約3か月間、検証する。
背景には、ドライバーの孤独感と業界が抱える人手不足の課題がある。ドライバーは長時間1人で過ごす業務形態のため、孤独感がストレス要因になるとの指摘もあり、人手不足と働き続けにくい環境を改善するには、新たなアプローチが必要だと考えたという。
「同僚AI」は、ココネットのキャラクター「ココちゃん」を活用し、ドライバーはスマートフォンのLINEを通じて利用。AIには大規模言語モデル技術を用い、自然な応答をするため、ドライバーは職場の同僚と話すような感覚でコミュニケーションできる。
具体的には、配達先での困りごとや業務上の悩みを聞き、解決策の提案やアドバイスをする。休み時間などには世間話や趣味の話など、雑談もする。疲労がたまっていそうな時や落ち込んでいる時は、励ましやねぎらいの言葉を掛け、モチベーション維持をサポート。健康状態や安全運転への気遣いのメッセージも届けてくれるという。
つながりAIとココネットは実証実験を通じ、仕事への満足度や会社への愛着心を向上させるとともに、離職防止と定着率アップ、さらには業務プロセスや経営の改善にもつなげられればと期待している。
結果によっては今後、長距離トラックドライバーやタクシードライバーなどへの展開、リモートワークでの孤独感対策など、幅広い分野で応用し、他の企業や自治体と連携する可能性も探る。
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