日本郵船は4月23日、海運・物流のITソリューション開発を行う関連会社Symphony Creative Solutions(SCS)が損害保険ジャパン、SOMPOリスクマネジメントと協働し、食品ロス削減につながる損害防止サービスの開発に向けた実証実験を開始したと発表した。
SCSは、現場作業の標準化とワークフロー順守を支援するITソリューション「CargoNote」を提供。コンテナへの食品の荷詰めなど、精度が求められる作業時に活用することで、輸出入時の食品ロス低減を目指す。
「CargoNote」は、2023年リリースのツールで、物流現場の情報共有をスムーズにするチャットや、作業の進ちょく状況をリアルタイムで把握できるタスク管理、業務データの収集・分析ができる機能がある。
流通過程のコンテナ輸送における食品ロスの原因は、コンテナ自体に不備があるハード的な要因、積み込み作業時の手違いによるソフト的な要因などがあり、実証実験では、コンテナの外観チェックや積み込みチェックなど作業を標準化することで、輸送中の水漏れや解凍など損害を未然に防ぐ。
具体的には、SOMPOリスクマネジメントが過去の保険金支払いデータを基に、事故削減に向けたコンテナへの積み込みや取り出しに関する最適なワークフローを「CargoNote」に設定する。
荷主であるメーカーは、ワークフローに基づいた積み降ろしを行い、大規模な損害や廃棄につながる食品ロスを未然に防ぐ。
損保ジャパンは事故削減状況を適宜共有し、業務改善を支援。荷主は「CargoNote」上で写真レポートを活用することで、輸送中の食品ロスの原因を明らかにしながら再発防止に向けた協議を進めやすくなる。
実証実験の成果を基に、損保ジャパンとSOMPOリスクマネジメントは、食品ロス削減に寄与する損害防止サービスの展開を2025年度中に予定しており、今後は食品以外の業種への拡大も計画しているという。
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