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Hacobu/「長時間運行だった所ほど改善」動態管理データから一橋大学と共同研究

2025年09月26日/調査・統計

トラックドライバーの長時間運行が多かった事業所ほど、労働時間規制に合わせて改善が顕著—。

Hacobuは9月25日、一橋大学と共同で行った、動態管理サービス「MOVO Fleet」の運行データをもとに物流の「2024年問題」がドライバーの働き方に与える影響の実証研究成果を発表した。

<Hacobuと一橋大学>
20250926hacobu - Hacobu/「長時間運行だった所ほど改善」動態管理データから一橋大学と共同研究

2024年4月に施行された自動車運転者の時間外労働時間の上限規制(年間960時間)によって、ドライバーのワークライフバランス改善を目指す半面、輸送能力の低下も懸念される。

こうした課題を背景に、事業者単位のアンケートなどではなく、日々の運行実態をドライバー単位でとらえようとの試み。一橋大学ソーシャル・データサイエンス研究科からHacobuに協力依頼があり、実現した。

共同研究ではHacobuが、車両の位置情報データの取得・分析ができる「MOVO Fleet」に記録されたデータを提供。

2022年から2024年まで、延べ20万件に及ぶ運行データを活用することで、ドライバー単位・事業所単位の精緻な分析を行い、規制前後における労働時間や長時間運行の変化をつかんだ。

その結果によると、規制前に長時間運行が多かった事業所ほど改善が顕著なことが分かった。2023年に最大約4時間、2024年に最大約1時間の運行時間削減が確認でき、規制に対応する形で改善が進んでいた。

2024年4月の規制施行直後よりも、2023年の同時期に運行時間の減少幅が大きいことも分かった。5年前から規制適用は決まっていたため、事業者は猶予期間を活用して労働時間削減に取り組み始めていたとみられる。

ドライバーごとの分析では、特に長時間運行していたドライバーが、年間で長時間運行を減らす傾向があった。結果として、ドライバー間の負担が分散され、労働時間が平準化している傾向が確認できた。

Hacobuと一橋大学は、今回の結果は規制の直接的な因果効果を結論づけるものではないが、従来の統計では把握できなかった事業所・ドライバーごとの継続的な行動変化が可視化できたとしている。

またHacobuはこれを機に、産学官連携をさらに強化し、ドライバーの働き方改善や物流の効率化に取り組んでいきたいという。

■研究概要
研究期間:2022年〜2024年のデータを対象に分析
対象データ:動態管理サービス「MOVO Fleet」に記録された延べ約20万件の運行データ
分析対象:事業所単位・ドライバー単位・日単位の運行記録
分析手法:固定効果モデルを用いて、規制前後の運行時間や長時間運行の変化を検証
着目点:運行時間の推移、長時間運行(1日13時間超)の発生割合、規制前後の変化(特に2023年と2024年を中心に比較)

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