岩手県岩手町とセイノーホールディングス、エアロネクスト、NEXT DELIVERYは2月17日、同町で「中山間地域におけるドローン配送」の実証実験を同16日に実施したと発表した。
実証実験は、セイノーHDとエアロネクストが開発推進するドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流「SkyHub」の社会実装の検討に向けて実施したもの。エアロネクストの子会社でSkyHubの実質的な企画運営を手がけるNEXT DELIVERYが主体となって実施した。
今回の実証では、中山間地域での災害時を想定した物資支援の輸送に加えて、一方井小学校の児童へのメッセージを配送した。
<実証実験に使用した日本発物流専用ドローン「AirTruck」>
機体は、エアロネクストが開発した物流専用ドローン「AirTruck」を使用。ドローンは岩手町森のアリーナと一方井小学校グラウンド間(片道4.5km)を往復で飛行し、児童へ物資やメッセージを届けた。
ドローンが空から降りて来て商品が届けられた際は、生徒たちから大歓声があがり、児童からは「ドローンを初めて見たが、思ったより大きくて迫力があった。一方井小学校までを往復してすごい」などのコメントがあがった。
岩手町では、スマートシティの推進や脱炭素社会の構築、地域課題解決に向けた新たな取り組みを模索しており、今回の実証実験に至った。一方井地区の住民の多くは市街地まで車で買い物に行っており、高齢者率も岩手町全体では39.9%であるのに対し、50%近い地区もあり免許返納が地域課題として浮上していることから、今後は買い物難民へ向けての買い物代行サービスの検討も進め、医薬品配送、フードデリバリーの配達代行、共同配送や貨客混載なども組み込み、地域コミュニティ活性化を目指し取り組みを進めていく方針。
<左から岩手町 吉田和彦副町長、岩手町議会 武田茂議長、岩手町 佐々木光司町長、SHDラストワンマイル推進チーム課 和田悟課長、エアロネクスト 伊東奈津子執行役員グローバルCMO>
新スマート物流/岩手県岩泉町でドローンを組み込んだ共同配送実施