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ヤマト運輸/阿波新社長「選ばれる宅急便」に情熱、プラスαを創出へ

2025年05月22日/SCM・経営

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ヤマト運輸は5月22日、東京銀座の新しいヤマト本社ビルA棟で、阿波誠一社長が就任後初の記者会見を行った。

<阿波新社長>
20250522yamato - ヤマト運輸/阿波新社長「選ばれる宅急便」に情熱、プラスαを創出へ

自己紹介から始まり、1993年にヤマト運輸に入社し、九州の営業所からスタートして、主管支店の支店長や海外担当、経営戦略部長、ヤマトシステム開発社長、専務執行役員等を経て、4月1日付で社長に就任。自身を「現場上がりの社長」と呼び、現場を重視する姿勢は以後の様々な施策の説明についても垣間見えた。

社長就任後に、全国の主管支店を回り、各幹部とコミュニケーションを図り、そこでは2024年問題の労働時間についてが論議されたという。そこで出した結論が「効率性は追わない、量もこれ以上追わない。品質を落としては選ばれなくなる。選ばれる宅急便を目指そう」ということだった。それが結果的に宅急便を強化することに繋がるとみている。

「選んでもらえる宅急便」とは何かを、SD(サービスドライバー)や事務職員、幹部社員が同じ方向を向いて考え、全員経営の旗の元、自信をもち、情熱をもって取り組まないと大きな成長は果たせない。本丸である宅急便ビジネスをどう構築するかが問われている」と阿波社長は話し、リソースの集中と分散、新商品の開発が必要とした。

リソースに関しては、「魚のいないところに網を投げ入れても、成果は得にくい。魚の多くいる場所に戦力を集中しないとビジネスには勝てない」と話し、新商品の開発では「こねこ便420」の発売は決してこれ自体を売るためだけではなく、宅急便を強化しプラスαに繋がる展開として発売したものだ、と述べた。

2024年問題やドライバー不足に関しては、「人手不足は必ず来る。SDも流動が始まっており、SDの体制も万全ではない。ただ、採算が取れないからSDを減らし、パート等を増やす行為はヤマト運輸の姿ではない。SDは当社の強みであり、そこを活かす形で難局を乗り切るつもりだ」と強い意志を見せた。

一方、EC需要の急増では「EC需要は偏在が顕著。東京から地方への輸送が中心で、帰り荷は半分もないほど。モーダルシフトやフレイターで対応するが、課題は多く長期的な視点で考えていく必要がある」と述べている。また、「長距離をどう乗り越えていくか、日本全国で効率のいい運び方を考えていく。トレーラーの型が増えたり、自動運転トラックが実現すれば、それは非常にありがたい。そういう世界が早く実現できれば、パートナー企業も活躍でき、ヒトが集まる業界になると思っている」と現実的な未来を見据えていた。

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