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DHL/日本-欧州を鉄道で結ぶ北アジア国際複合輸送サービス開始

2014年10月24日/国際

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DHLグローバルフォワーディングジャパン(DGFジャパン)は10月24日、日本から中国・ヨーロッパ間の鉄道を活用した国際複合輸送サービスを開始すると発表した。

<DHL鉄道サービスが運行する西回廊>
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<サービスを拡張した北回廊>
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<北回廊と西回廊で対応力を強化>
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DHL鉄道サービス北回廊と呼ぶ新しい鉄道輸送サービスで、日本からヨーロッパに向けて輸送される貨物は、日本のあらゆる場所からトラックにより集荷。40フィートコンテナを使用し、貨物は東京、名古屋、大阪、博多のいずれか4港に運ばれ、その後貨物は東シナ海を渡り上海まで海上輸送する。

上海から蘇州の拠点まで運ばれたコンテナはDGF中国が既に確立した中国の鉄道ネットワークに接続し満州里まで運び、ロシアとの国境の町サバイカリスクからはシベリア鉄道を経由して、ポーランドのワルシャワまで輸送する。蘇州の拠点からワルシャワまではすでに2014年3月にサービスを開始しており、今回、日本からのサービスを拡大することになったもの。

このサービスでは、コンテナ単位でブロックトレイン(異なった貨物を積んだ貨車を編成して輸送する方法)を利用することができる。

目標輸送時間はテスト段階の結果では14日としていたが、16回の走行では平均13.7日だった。

コスト面では、航空輸送と比較して最大85%のコストカット、さらに最大90%のCO2排出量の削減、海上輸送と比較してコストは20%カット(条件による)、輸送時間は20日前後の短縮としている。

一方、2013年4月から試験走行を含めてサービスをスタートしているのが西回廊。産業の拠点都市成都をスタート地点として、ポーランドのロッツまで輸送する。53回の走行で輸送時間は平均14.5日となっている。

両回廊とも、コンテナ内が冬期の-20℃~-40℃の低温に耐えられるよう、さらに電力が供給されない場合を考慮し、発電エンジン(ディーゼルエンジン)を搭載した温度管理コンテナを採用。年間を通して、安心して使用できるコンテナ輸送としている。

<ケルビン・レオン アジア太平洋地区CEO(右)、マーク・スレード社長(左) >
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DHLグローバルフォワーディングのケルビン・レオン アジア太平洋地区CEOは「輸送中の車内や船内の在庫も在庫の一つ。輸送時間を短縮することは、それだけ在庫を減らすことにもつながる。CO2削減にも貢献する。中国の鉄道ネットワークに接続するこの新しいサービスはアジア地域での顧客にコストと時間に関する利点をもたらす革新的なソリューションになる」と述べた。

また、DGFジャパンのマーク・スレード社長は「このサービスはあらゆる日本の産業に有用だが、特にエレクトロニクス、自動車、部品、ファッション・アパレル産業の顧客に大きな可能性を見ている。コンテナにはRFIDを搭載し、追跡も可能だ」と話した。

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