特別インタビュー 坂村 健氏/東京大学大学院 情報学環教授

イノベーションのためにオープンコンテスト

<坂村 健氏>
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―― 4月18日から大和ハウスグループのフレームワークスが「オープンデータコンテスト」の募集を始めました。
坂村 非常にいい取り組みだと思います。私も審査委員長として参加しますが、フレームワークスの秋葉社長は先進的で、考え方はとてもイノベーティブです。無駄な面を別の視点から眺めると、効率改善できるのではと考えているんですね。そのために、大和ハウスグループさんの物流関連のデータをオープンにして、それをもとにアイデアを募集するものです。異業種でも個人でも匿名でも誰でもが参加できるオープンなコンテストです。倉庫などのゲームアプリなども歓迎です。

―― 海外ではオープンコンテストが盛んなようですね。
坂村 欧米では盛んです。米国ではオープンデータを利用したアプリケーションのコンテストはワシントンDCが2008年に最初に開始しました。たったの30日間で47のアプリが応募され、賞金などに5万ドルかけたが230万ドル相当のアプリが登場という大成功で有名になり、この「Xプライズ方式」で開発を刺激する手法が広く行われるようになりました。このときのアプリは今でも使われています。

―― 今回のコンテストでは賞金総額500万円が出ます。
坂村 賞金は重要です。たとえば米国の国防総省が自動運転自動車の技術開発加速のためにXプライズのコンテストを行いました。政府予算で優勝賞金を出すんですね。アメリカ人は競争だと燃えるんですね。戦うんだとファイテングスピリットが全開で開発が加速するんです。戦争が技術開発を加速すると言われますが、その加速効果を平和的に利用しようというのがXプライズです。確かに効果は大きくて、日本が進んでいたはずの自動運転も人型ロボットも、それであっというまに追い抜かされてしまいました。しかし、いずれにせよ競争する意欲のない人にイノベーションはできないということで賞金としています。Xプライズ方式は世界的な潮流になっています。日本のオープンコンテストの賞金としては500万は結構大きな額で、非常に期待しています。

―― 締め切りが7月18日です。
坂村 これは、東京メトロのコンテストでもそうでしたが、応募締切直前に殺到します。4月18日から受け付けますが、応募は最後の1週間でしょうね。7月18日以降の審査が楽しみです。

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