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物流最前線/ダイワロジテック トップインタビュー

2017年12月12日/物流最前線

ショールームを脱却し実際の稼働状況を見せる

―― それでは具体的な今後の予定を
秋葉 近いところでは来年3月にDPL市川の2階、約3000坪でR&Dセンター兼ショールームを開設します。実際の稼働状況を見てもらう予定です。フレームワークスがオペレーションを担当し、そのプロジェクトにはGROUNDとHacobuも入る予定です。ダイワロジテック構成メンバーのつながりがここに結集します。当初は、部分稼働になると思いますが、入居テナント企業3社もほぼ決まっています。いずれも特徴的な事業を行っている企業でEC事業者も含まれています。ここでは、新たにシェアリング作業の現場も展開していくつもりです。

―― シェアリング作業とは。
秋葉 例えば、季節波動の場合、人ありきなら人海戦術で解決できますが、マテハンやロボットはそうはいきません。機器類は購入してもリースの場合でも一定の償却費がかかります。そこで、マテハンやロボットを個社のものとせず、これを各社でシェアリングして、運営できないかということです。2階にいるA社のロボットを3階のB社に上げて利用するとか、棚も共有にするとか、シェアリング作業がどこまでできるかも確認したいと思います。

―― 来年3月竣工予定のDPL流山ではどうですか。
秋葉 DPL市川の状況を見て、DPL流山の1棟目にも展開していく予定です。DPL市川の状況を見て頂くことで、新たな顧客の要望も見えてくるものと思います。例えば、アッカ・インターナショナルはアパレル中心ですが、ここのシステムなりを他の業種にも展開できないかなどの可能性を探ることもできます。

―― 顧客の前で全体の絵を描ける営業マンが必要になりますね。
秋葉 確かにそこが一番難しいところです。それぞれの絵は描けても全体となると大変です。それを含めて、R&Dセンター兼ショールームで各社間での情報共有を図り大いに議論していこうと思っています。各社間でもめようが顧客が満足できる商品を提供できれば良いわけですから。

物流は変革期、世の中に対して何ができるかが基本

―― 日本の現在の物流事情をどう見ていますか。
秋葉 人手不足による宅配便市場の問題、ドライバー不足、物流施設の過当競争等さまざまな問題があると思います。物流施設が過当競争ともいわれていますが、実際それらの床面積と本当に物流で使用している必要な床面積の差はどのくらいあるのか、そんなデータはどこにもありません。デリバリー面を考えるとコンビニをどう使うか、基本的には売り場面積を増やしたいはずで、バックヤードは極力減らしたい。そうしたことから、物流施設ではないが、物流施設の役割を持った施設の床面積を真剣に考えることが大切です。そこから、どのような物流施設が効率的かを考えるべきです。

―― 複合化の展開ですね。
秋葉 例えばガソリンスタンドとコンビニの組み合わせもありますね。複合化は一つのトレンドになるかもしれません。地方と都会では展開も違いますが、注目しているのがセブン-イレブンと西濃運輸が始めた宅配サービスです。コンビニは半径500mが商圏と言われていますが、500mの宅配となるとこれまでの宅配とは違った形になります。そこに新たなサービスとなる付加価値が生まれてくる可能性があるのです。

―― 宅配便の新たな可能性ですか。
秋葉 宅配便は元々送る人優先の仕組みですね。しかし、受け取る人のことが考えられてなく、今それが大きな問題になっています。あわてて宅配BOXが普及されつつありますが、とても足りない状況です。まさに物流は変革期です。世の中に対して何ができるかが基本です。AI、ロボット、IoTでこのあたりを解決できないか、それもスピード感をもってやっていきたいと思います。

―― トラックの自動運転の話題も盛んです。
秋葉 よく話すのですが、30年後には自動運転が実現していると予想する人が大半です。そうなると、タクシー会社も運送会社もなくなるのではと。実際、会社が行っているのはドライバーのマネジメントです。自動運転が可能になれば、タクシー会社も運送会社も全く違った事業形態になるものと考えられます。

―― さて、新会社スタートにあたり、ダイワロジテックの理念を発表しています。
秋葉 理念というと堅苦しい言葉が並びますが、ダイワロジテックの理念を考えたとき、気難しい言葉をやめて、「物流をかっこよく」、「物流をクールに」、「物流で輝きたい」と、ストレートに表現しています。これは、人に依存しない、そして人を大切にすることが一つ。そして、AI・ロボティクス等最新技術を導入したプラットフォームを構築すること。さらに、世の中のニーズに応えるロジスティクスサービスを提供しつづける、ということです。

―― 社長というハードな役割ですが、健康法は。
秋葉 ゴルフと自転車(ロードバイク)と釣りでストレス発散しています。逆にこれをしていないと仕事がはかどりません。自転車では四国のしまなみ海道を何度も走ったことがあります。体と精神のオン、オフは重要です。ただ、メールは休みなく来ますので、そのチェックには気を使います。その意味では休んでないのかもしれませんが、極力オフの時間を取る努力をしています。例えばゴルフのハーフくらいはメールを見ないとか、自転車に乗っているときは当然危険ですから見ませんね。健康には自信がありますので、まだまだ走ります。加速させますよ。

<秋葉社長>
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■プロフィール
秋葉 淳一 (Junichi AKIBA)
ロジスティクス経営士

2010年6月:フレームワークス 代表取締役社長(現任)
2011年6月:モノプラス 代表取締役社長(現任)
2015年9月:Daiwa GF Logi 取締役(現任)
2017年11月:ダイワロジテック 代表取締役社長(現任)
2017年11月:アッカ・インターナショナル 取締役(現任)
金沢工業大学大学院 イノベーションマネジメント研究(MBA)客員教授
流通経済大学 流通情報学部 客員講師
日本ロジスティクスシステム協会(JILS)
能力開発委員
ロジスティクス経営士専門委員
物流技術管理士専門委員
人材育成プログラム開発委員

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