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物流最前線/デカルトシステムズ(トップインタビュー)

2018年10月25日/物流最前線

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デカルトシステムズ
シニア・バイス・プレジデント(SVP) リー・カーリンスキー

デカルトシステムズジャパン
日本代表 家田行博

2018年5月、デカルトシステムズが日本市場に本格参入するため日本法人を強化した。4つの新製品群を武器に、これまでCTC(伊藤忠テクノソリューションズ)やオーシャンコマース経由で販売していたソリューション製品群を独自組織でも市場開拓していく方針を示したものだ。

リー・カーリンスキーSVPは「日本では少子高齢化、人手不足等により、物流改革が急ピッチで進められている。より効率化・生産性の向上を図っていかないと、市場での競争に打ち勝つことはできない。デカルトのソリューションは世界でスタンダードになっていることと、日本市場はアジアで拡大するためには最も重要な市場と位置付けている」と語り、日本市場へ本格参入した決意を明らかにした。

<リー・カーリンスキー SVP>
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<デカルトの物流管理ソリューション>
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日本はアジア市場で最も大切な市場、法人設立はデカルトの本気度の表れ

―― デカルトシステムズの簡単な概要から。

カーリンスキー デカルトシステムズはカナダの企業です。グローバルなテクノロジー企業と自負しており、事業の大半がソフトウェアをクラウドで提供するサービスを行っています。昨年度は2億3700万ドルの売り上げがあり、今年はおそらく2億6700 万ドルに成長するものと思っています。会社の時価総額はおよそ25億ドルで、年4社程度のM&Aを行なったり、研究開発費に18%程度を投入するなど、再投資を柔軟に行っています。グローバルで約1万8500社の顧客を持ち、従業員は約1300人を数えます。

―― 今年の5月に日本法人を強化したわけですが、2002年に1度法人を設立しています。

カーリンスキー 2002年の頃は、まだ売り上げもグローバルで1500万ドル程度の企業でしたので、他社の影に隠れて本格的な展開には至りませんでした。ただ、この間もグローバル・ロジスティクス・ネットワーク(GLN)システムを展開し、日本では、CTCやオーシャンコマースとパートナーを組んで活動を続けており、実績を作ってきました。今回はより本格的にデカルトシステムズが直接日本市場に参入して販売から運営管理まですべてを行うつもりで法人を強化したものです。そして、数年後には日本でリーダーシップを担える位置まで拡大したいと思っています。

―― なぜこの時期に強化を。

カーリンスキー 新しい商品群が開発できたことと日本市場の変化です。まず、新しい商品群ですが、「Descartes Transportation Manager」(TMS)があります。これは輸配送管理するソリューションです。そしてルート管理ソリューションの「Descartes Route Planner On-demand」(RPO)が新しい商品です。また、すでに日本に何社か顧客のある「Descartes Supply chain Visibility」や「Descartes Dock Appointmene Scheduler」の4つの商品を展開したいと思っています。

―― これらの商品を日本法人が担うと。

カーリンスキー そうです。クラウドベースでソリューションを提供するものです。すでに「Descartes Route Planner」は数年前よりCTCがデカルトに代わって、販売し、ホームロジスティクス他数社の配送業務の支援を行っています。

<デカルトシステムズジャパンの家田社長>
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―― デカルトの日本法人がプロモーションを担わないのですか。

家田 これまで、CTCが4つの商品のうち、1つの商品についてプロモーションを担ってきました。デカルトの日本法人は、4つの商品のセールス活動とマーケティング活動を本格的に行うことが日本法人強化の一番大きな狙いです。

―― 2つ目の理由の日本市場の変化とは。

カーリンスキー 日本の市場環境です。日本はGDP世界第3 位、一人当たりGDPは28位ですが、総合的には8位となる経済大国です。失業率も世界で2番目に低く、賃金も高い。しかし、少子高齢化、人手不足が深刻な問題となっており、さらに高い賃金が求められています。運賃の上昇もあります。現在の企業活動の維持と生活環境を維持するには、さらに生産性を上げ、効率性を高めないといずれ破綻することになります。タイミング的に日本に本格進出するには最適な時期となったものと考えています。日本市場はエキサイティングな市場として、非常に期待していますね。

<家田社長(左)とカーリンスキーSVP>
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