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物流最前線/デカルトシステムズ(トップインタビュー)

2018年10月25日/物流最前線

<デカルトグローバルロジスティクスネットワーク>
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GLNをコアソリューションとして、物流特化型のサービス提供目指す

―― 4つの商品はアプリケーションソフトですね。

カーリンスキー そうです。新しい商品はGLNの上に構築したアプリケーション商品と理解していただいて結構です。GLN は世界中の30 万社(団体)以上がつながっているネットワークで世界最大のシステムだと思っています。GLNはデカルトの事業基盤ですね。例えるなら、昔のEDI(電子データを交換しあう仕組みや)VAN(付加価値通信網)が発展したイメージです。

家田 GLNの一番大きな特徴が、複数の企業および団体がネットワーク上で、各種情報を交換できることです。現在、さまざまな企業がSCM、物流システムを構築しています。ただし、これらのシステムは各企業に閉じた、いわゆる部分最適であることが多く、企業間を跨いだ全体最適化はできていないのが現状だと思います。荷主の立場で言うと、フォワーダーもキャリアも巻き込んだシステム化をやらないと全体最適は実現できません。その点で高く評価されているのが、GLNなんですね。

―― GLNの日本市場への普及は。

カーリンスキー すでに、国内大手の業界をリードする企業には数多く導入いただいています。例えば大手フォワーダーが予約した状況を大手航空会社と情報交換して、情報に基づいてEU圏内で貨物を通関させています。さらに、機密情報のファイリングについても管理できます。

家田 今、荷主企業を中心に営業で回っていますが、GLN については、実際に利用中の日本の企業名を出すと、そのカバレッジ(適用範囲)の広さに驚かれて、すぐに話を聞いてもらえますね。

―― GLNを持っていることは大きなアドバンテージになると。

カーリンスキー そうです。GLN のようなネットワークを持っていることで非常に有利な立場にあると思っています。特に、内陸、海上、航空、仲介輸送などを繋げたいと思ったら、このGLNですぐ繋がるということです。キャリアと荷主のやりとりメッセージが、GLNを通して、やりとりができるわけです。

<カーリンスキーSVP>
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<家田社長>
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<日本法人の取り組み>
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システム導入期間は約60日、世界で15%の成長を目指す

―― TMSとRPO等を販売する場合、CTCと競合するのでは。

カーリンスキー 提供するソリューションや価格が若干違います。CTCで扱うものは、CTCのサーバーを利用しますが、デカルト日本法人が提供するソリューションはデカルトのサーバーを利用・管理します。これは、他国でも同様の展開を図っています。また、これまでCTCは大企業が中心でしたので、我々はその周辺の企業を開拓しようと思っています。企業規模や職種について明確な線引きはしていませんが、協力してやっていきたいと思っています。

家田 デカルトシステムズのソリューションのもう一つの大きな特徴が、導入・稼働が約60日で済むことです。導入から稼働まで半年といった期間を設けるシステム会社もありますが、その間にシステム要件が変わってしまうこともありますので、スピード化を心がけています。

―― ライバルは。

カーリンスキー それぞれにライバルはいますが、最大のライバルは、システム会社ではなく、紙ベースで業務を進めている所ですね。

―― 日本市場での数字的な目標は。

カーリンスキー 具体的な数字は申し上げられないが、この10年間は毎年グローバルで平均19%の成長を続けてきました。ですから、グローバルでは、今期も15%以上の成長を目指しています。

家田 日本法人では、新規の営業とマーケティングに力を入れていきます。今後は、3PL企業や物流特化型コンサル会社とパートナーを構築していきたい。デカルトシステムズはまだまだ日本での認知度は低いので、セミナーを開催したり、事例の紹介を行ったり、情報交換の場を提供するなどを積極的に行なっていきたいと考えています。

―― カーリンスキーSVPは日本に常駐ではないのですか。

カーリンスキー 通常はサンフランシスコにいます。担当地域がアジア・パシフィックや南米、南アフリカですので、世界中を飛び回っており、3か月に1度は来日する予定です。日本は非常に成長性の高い国ですので、今度来日するときも楽しみにしています。

<握手する家田社長とカーリンスキーSVP>
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■プロフィール
リー・カーリンスキー
1970年11月生まれ。出身地は、フロリダ マイアミ。
マイアミ大学で産業工学の学士号を取得し、フロリダ大学で産業システム工学の修士号を取得。
1996年にJDAソフトウェアグループ(i2 Technologies)やInfor(CAPS Logistics)などのサプライチェーンおよびロジスティクスのソフトウェアプロバイダーで管理職を経験。
1999年にデカルトが2001年に買収したサービス(SaaS)のイノベーターであるCentricityを共同で設立。
2001年以降、デカルトのチャネル担当ディレクターとして重要な役割を果たし、その後、新興市場地域の上級副社長として、デカルトの新興市場地域(アジア太平洋、メキシコ、中米、南米、南アフリカ)の管理責任。

家田行博
1960年6月生まれ。出身地 東京都。慶應義塾大学商学部卒業。
1985年にIBMに入社後、中部地区で営業担当。その後、野村総合研究所に転じて、産業・公共部門および金融部門でシステムインテグレーション営業を経験。
1991年にオラクル社に移り、ERP(現Oracle EBS)の自動車業界担当営業チームのマネジメントを担当。以降、シーベル社(現オラクル社)、ADPディーラーサービス社(現CDKグローバル社)、アリスグローバル社をはじめ、主に外資系のアプリケーションソフトウェアベンダーにて営業管理職、日本代表職を歴任。

■問い合わせ
デカルトシステムズジャパン
家田行博
https://www.descartes.com/
YIeda@descartes.com

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