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世界のコンテナ船輸送/2億TEU突破、年率3%の伸長予測

2018年12月14日/調査・統計

日本郵船は12月14日、同社の調査グループがまとめた世界のコンテナ船輸送と就航の状況を発表した。

<世界のコンテナ荷動き推移>
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世界のコンテナ荷動きは、2017年に2億800万TEUと、2億TEUの大台を突破。2018年には2億1900TEUに達する見通しとなっている。

<欧州向け航路の荷動き>
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<米国向け航路の荷動き>
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2017年の仕向け地別のコンテナ荷動きは、東西航路(前年比4.0%増)、南北航路(5.5%増)、域内航路(4.5%増)ともに荷動きが増加している。欧州向けは1554万TEU(4.5%増)で、過去最高を更新。復路は760万TEU(5.6%増)となった。米国向けは1654万TEU(6.2%増)で、2014年から4年連続で過去最高を更新した。

船腹量のオペレーターランキングは、1位が2017年12月にHamburg Sudを買収したデンマークのMaerskで385万1995TEU(前年比16%増)だった。3位には、2018年7月にOOILを買収し、276万2063TEU(59%増)と著しい増加を見せた中国のCOSCOが浮上した。Ocean Network Expres(ONE)は153万8006TEUで6位だった。

2018年8月末までの1年間を対象にした航路・船型別の隻数・船腹量の推移を見ると、欧州向け航路では8000TEU~1万4000TEU未満の船舶が40隻減少した一方、1万8000TEU以上が27隻増加し、船舶の大型化が進んだ。

北米向け航路は、パナマ運河の拡張で旧パナマックス型からネオパナマックス型へのリプレースが進んだ影響から、3000TEU~5000TEU未満の船舶が24隻減少し、8000TEU~1万4000TEU未満が21隻増加した。また、中南米向け航路では全ての船型で隻数が増加した。

<2017年竣工のコンテナ船と2018年以降の竣工見通し>
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竣工船の総船腹量は2018年に前年比5.7%の増加を見込んでおり、2019年に同3.5%増、2020年に3.2%増と増加する傾向にあると予測している。

<日本郵船調査グループの山田グループ長(右)、調査グループの高部コンテナ・港湾調査チーム長(左)>
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今後のコンテナ船輸送の展望について、日本郵船の高部 広子調査グループコンテナ・港湾調査チーム長は、「足元で続いている燃料価格の高騰や、2020年に強化されるSOx(硫黄酸化物)規制への対応で増加する燃料コストを、どう運賃に反映出来るかがカギになる。荷量は年率3%程度の伸長が見込め、船腹量も荷動きに沿って増加する見通しで、安定した需給バランスが続くと思われる」と語った。

なお、これらの内容は、日本郵船調査グループが編集を手がけた書籍「世界のコンテナ輸送と就航状況2018年版」に基づくもの。

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