NECは9月26日、日本航空(JAL)の空港業務効率化に向けて、羽田空港の屋内外でIoTの有効性を検証する実証実験を7月~8月に実施したと発表した。
<実証実験のイメージ>

実験では、空港特有の条件に対応しながら、屋外では空港内を移動する荷物コンテナ運搬車の位置把握を、屋内では格納庫での整備士の動線把握をユースケースとした。
<荷物コンテナ運搬車>

荷物コンテナ運搬車の位置把握については、運搬車にGPSデバイスを取り付け、LoRaゲートウェイを用いてLoRaWANのネットワークを構築。その結果、2セットのLoRaゲートウェイで羽田空港屋外のほぼ全てのエリアをカバーし、運搬車の位置をリアルタイムに把握できることを確認した。これにより、機器の導入を最小限に抑えながら、広いエリアで通信が可能なLoRaWANの有効性を実証した。
<格納庫>

格納庫での動線把握については、整備士を想定したJALとNECの担当者がBLEデバイスを装着し、BLEネットワークを構築したツールルーム、格納庫、事務所で実験した結果、航空機、作業用足場、壁などに電波が反射して干渉しやすい環境下でも位置を正確に検出することができ、動線把握が可能であることを確認した。
JALグループは新技術による品質と生産性の向上に取り組んでおり、その一つとして、空港の屋内外でIoTの活用を検討しているが、設備へのデバイス設置に制約があったり、屋外の業務エリアが広大であるなど、空港特有の環境を把握した上で最適なIoTを導入する必要があった。
今回、NECはネットワークに関する知見や技術を生かしてコンサルティングを行い、IoTを実現する多種多様な通信手段のアセットからLoRaWANとBluetoothを活用し、IoTの有効性を検証する実証実験を実施。
IoTデバイス、サーバ、データを収集・可視化するアプリケーションなどをトータルで提供するNECの「スターター向け実証パック」を活用し、3週間で迅速に実証実験を開始することができた。
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