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物流最前線 野村不動産の物流施設開発戦略

2019年10月01日/物流最前線

<山田譲二執行役員>

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物流施設需要は好調、満床に近い稼働続く

――  このところ物流施設需要が好調のようですが。

山田 そうですね。おかげさまで、2020年竣工予定の5棟のLandportシリーズも竣工前にほぼ満床となる予定です。これは他社さんも同様だと思います。2020年には、全体で31棟46万8000坪(約154万4400m2)まで拡充することが確定しています。物件数の増加とともに、顧客数も40数社になり、リピーターとして複数物件に入居する顧客もあります。事業ポートフォリオの拡大の真っ最中というところです。今は、2021年目以降の物件についての提案を深めていかなければならないと思っています。

――   この好調さの要因とは。

山田 私たちもさまざまな分析を行なっていますが、一つには人手不足の影響が大きいと思っています。以前は、物流センターができてから、実際どう使うのか、そこでの雇用も含めて、短期で準備して稼働する形でしたが、今は竣工前からかなり時間をかけて準備を進めるテナントが多いですね。実際、早めに準備していないと、マテハン機器などの導入も半年から4か月程度に伸びていると聞きます。また、アルバイトやパートの募集も早く囲い込みをしないと採用できなくなってしまいます。そのため、早め早めに物件を抑えて準備していかなければ間に合わないということが、マーケット的にも認知されている点があると思います。

――  EC物流の伸長については。

山田 それも大きいですね。物流施設需要の純増という点では、EC事業者による事業拡大は戦略的で活発ですからね。私たちは商業施設もやっていますが、現在はちょっと停滞気味です。それに比べてECの倉庫需要は伸びていますし、まだまだ大手小売店のEC化率は低く、それを高めようとしていることからも、今後もますます伸長していくものと見ています。

――  このところ冷凍・冷蔵施設の開発も注目を集めていますが。

山田 私たちも今後の課題として捉えています。今はドライが中心ですが、実際提案している案件もあります。ただ、冷凍・冷蔵施設というのは、1000坪、2000坪程度なら需要はあるのですが、Landportシリーズのように、1万坪以上という大きな面積ではなかなか難しい部分があります。以前に6000坪の物件で、冷凍・冷蔵の需要があったことから、進めていたのですが、やはり1棟では無理で、最終的にはドライの物流施設に変更しました。1階や2階の一部を冷凍・冷蔵施設にするという複合施設の開発なら、十分可能だと思っています。

――   エリア的には首都圏が中心ですね。

山田 圧倒的に首都圏が多いです。基本的なスタンスは首都圏、関西圏、中部圏を中心に九州北部にも展開する予定です。首都圏では、戦略的に16号周辺をターゲットにしています。工業団地も多く、周辺にベットタウンがあるなど、以前から物流銀座と呼ばれる利便性の高い沿線ですので、需要は高いと思っており、戦略的なベースとして集中して開発しています。16号の内側の部分は当然、開発したいのですが、なかなか用地が手に入りません。少し小型の物件でも、内側でやりたいですね。

――  土地購入の入札、相対の割合は。

山田 6〜7割が入札ですが、このところプレイヤーも多くなり、土地高騰が進み、ますます激化しています。今後は区画整理で生まれる土地とか、いろいろな機会を捉えて拡充していきたいと思っています。ご存知のようにLandport東習志野は元々イトーヨーカドーが入っていましたが、商業施設としては、マーケットが周辺に増えたことでなかなか厳しい場所でしたが、物流では十分な適地ということで開発したものです。当然、社内の商業施設担当との情報交換は密接に行なっています。

<Landport習志野バース>

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<Landport東習志野バース>

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<Landport青梅Ⅰ>

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<Landport青梅Ⅱバース>

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