物流最前線 ダイフクのマテハン戦略

2019年10月29日 

<4月に買収を発表したインドのVEGA社>

ダイフクのマテハン戦略 4月に買収を発表したインドのVEGA社

海外では日本スタンダードは成り立たない

―― アジアや米国を中心に海外展開をしています。

阿武 このところ海外に行く機会も多いのですが、つくづく日本と海外では違うな、と感じています。これまで当社は国内中心で事業を行ってきましたが、「メイド・イン・ジャパン」の製品だから海外で売れるというものでありません。例えば、「日本製=高品質」とのイメージがありますが、中国市場ですと、例えば耐久性については、日本に比べてあまり重要視されないのです。極端に言えば、「3年で償却するから、それまで動けば良い」というように。

―― 中国では何に重点を置いているのですか。

阿武 やはり、コスト面ですね。中国の技術革新はすさまじく、現地のメーカーでもクレーンなどを作り、低価格で販売しています。日本製を持込んでも、コストが全く合いません。マテハン業界で日本のスタンダードが世界に通用していたのは10数年前の話です。

―― 中国での物流施設では自動化が進んでいると聞きます。

阿武 中国の大手ネット通販企業では、ベンチャー企業を買収するなどして自動化した物流センターを構築しています。最近では、それらの技術を武器に、アセアン諸国にまで展開しています。欧州のマテハンメーカーは古くから中国に進出しており、中国の工場で対応しています。ダイフクも中国に生産拠点を有しており、今後さらなる事業展開に注力していかなければいけません。

―― 中国市場は、多少経済悪化となっているようですが、大きな市場ですね。

阿武 大きく、また魅力のある市場です。しかし、中国の物流インフラは日本と大きく異なります。例えば、固定電話が普及する前に携帯電話が普及したり、レコード文化を知らないまま音楽配信に移行したりする、小売店からスーパーマーケットへの移行が終わる前にネット販売が盛んになる、といった具合です。流通関係の整備もほとんどできておらず、物流環境も全く違ってきます。eコマースの発展で、ケースの経験や蓄積がない状態から一気にピースに移行するのですから。逆に言えば、何の障害もなく新しいシステムを組むことができるということです。

―― それで、中国での完全自動倉庫の話が多く伝わるわけですね。

阿武 日本は段階的に発展してきたので、どうしても引きずるものがありますね。やはり現地生産し、地産地消していかないと勝機はないと思います。それぞれの国に応じたものを顧客の要望に沿って作り、販売していくしかないですね。

―― 欧米での展開は。

阿武 米国では、子会社のウィンライト社の新工場を建設するなど事業を強化しています。欧州は、現地のマテハン企業がこぞって中国に進出しているのを見ても、市場としての規模は大きくないと考えています。

―― さて、ハードな業務だと思いますが、ストレス等も溜まるのでは。

阿武 以前とは違ったストレスを感じますね。現在は散歩やゴルフで汗をかいて、ストレスを発散しています。好きだったテニスは以前に足を痛めたことから、今はやめています。学生時代に行っていたラグビーは、現在日本でワールドカップが開催されていますので、テレビ観戦して楽しんでいます。

<阿武 寛二 常務執行役員>

ダイフク 常務執行役員 FA&DA事業部門長 阿武 寛二

阿武 寛二(あんの かんじ)
株式会社ダイフク 常務執行役員FA&DA事業部門長
■プロフィール
1979年4月 入社   
2012年4月:FA&DA事業部 生産本部 製造部 部長
2013年4月:執行役員 FA&DA事業部 生産本部 本部長
2014年4月:執行役員 FA&DA事業部門 副部門長  
2015年4月:常務執行役員 FA&DA事業部 副事業部長 
2018年4月:常務執行役員 FA&DA事業部門 部門長
現在に至る

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