Hacobuは2月10日、カゴ車やパレットなどの物流資材の「滞留」と「紛失」を可視化する物流資材モニタリングサービス「MOVO Seek」を、4月から提供すると発表した。
<「MOVO Seek」のサービスイメージ>
<カゴ車に取り付けらえた専用端末>
<MOVO Seekの管理画面>
MOVO Seekは、物流資材に専用端末を取り付け、端末からの位置情報をもとに物流資材の滞留や紛失の状況を可視化するサービス。
管理画面では、滞留が起こりやすいエリアの確認や、長期間拠点に戻っていない物流資材を把握することができ、軌跡をたどって紛失原因を推定することが可能。端末が故意に取り外された際は、アラートで通知する機能も付いている。
また、ダッシュボードには一目で全体の傾向が把握できるように情報がまとめられており、分析と改善が容易に行えるようになっている。
読み取り専用端末やネットワーク構築への投資が不要なため、低い初期コストで導入が可能。物流資材ごとに読み取り作業を行う必要が無いため、現場作業への負担も少なくて済む。
通信には、低価格・低消費電力・長距離伝送が特長のグローバルIoTネットワーク「Sigfox」を活用することで、7年程度と実用に耐えうる耐用年数を実現。また、Wi-Fiのアクセスポイントの位置情報を座標データに変換するSigfoxの独自サービスによって、屋内にある端末の位置も把握可能にした。
かご車やパレットなどの物流資材は倉庫や店舗などの拠点間で使用する際、他の物流事業者に回収される、店舗のレイアウトに転用されるといった理由で「紛失」するケースや、店舗のバックヤードや特定の物流拠点に「滞留」するケースが多数発生。そのため、紛失した資材の再購入によるコストの増加や、繁忙期の物流資材不足によって売上機会が損失するといったリスクが生じている。
<Hacobuの佐々木社長>
Hacobuの佐々木 太郎社長は「日本の流通業界では、一般的に1年間で10%程度の物流資材が紛失すると言われている。これは、物流資材をどこかへ持ち去ることに対して罪悪感を感じている人が殆どいないことが原因で、欧米ではありえないこと。大手卸売業のセンターでは、物流資材を30万台保有している拠点もあり、その1割を再購入すると相当の額になる。そのため、MOVO Seekにはサービス提供前からかなり強い引き合いがあり、さまざまな業界でニーズがあると思う」と語った。
<MOVO Seek開発担当者の石川さん>
また、MOVO Seekの開発に携わった同社のソリューション アーキテクトである石川 葵さんは「物流資材の位置情報を把握するソリューションとして、以前からRFIDやセルラー通信によるGPSなどを使ったものはあったが、高額の設備投資が必要であったり、屋内で検知できないといった課題があった。MOVO SeekではSigfoxを通信に用いることで、これらの課題を解決できた。4月のローンチに向けて先行申込を始めているので、ぜひ多くの方に利用して欲しい」とコメントした。
■物流資材モニタリングサービス「MOVO Seek」の概要
発売予定日:4月1日
価格:オープン価格
端末特徴:省電力(電池寿命は約7年)、防水防壁構造、屋内外で利用可能、動作温度範囲-20~+60℃