日本郵便/急増する宅配需要にソフト・ハード両面で対応

2020年06月15日 

日本郵便は6月15日、ECによる宅配需要の増加と配送の人手不足への対策として、ソフト・ハードの両面で配送業務の支援に乗り出すと発表した。

<SmaRyu Postの画面イメージ>

ソフト面では、CBcloudの宅配ソリューションシステム「SmaRyu Post(スマリューポスト)」と、オプティマインドのAI配達ルート自動作成システム「Loogia(ルージア)」を連携させた配達業務支援システムを導入する。

CBcloudの「SmaRyu Post」は、スマホアプリで車両への荷物積み込みや配送、ルートの自動作成、ナビゲーション、配送ステータス管理、配達状況の画像撮影、電子サインなどの機能を一貫して提供するソリューション。日本郵便とは2019年度に郵便局での導入効果を検証し、配送計画の作成時間を60%削減、荷物1つあたりの配達時間を40%削減する効果を実証している。

<Loogiaの画面イメージ>

また、オプティマインドの「Loogia」は、独自のアルゴリズムで最適な配達順序やルートをAIで自動計算するソリューション。2018年度に日本郵便との実証実験を実施して以降、日本郵便から提供されたデータを元にアルゴリズム精度の向上やプロダクト機能の拡充を図っている。

<配達業務支援システム。スマホで伝票を読み取るだけで、AIが配送ルートを自動作成してくれる>

<AIが自動作成した配送ルート>

<地図と配送先の照合に時間がかかっていた従来のアナログ作業>

今回、「SmaRyu Post」に「Loogia」をAPI接続することで、直感的な操作で初心者でも効率的に宅配業務を行うことが可能なシステムを作成。6月15日現在、東京都の世田谷郵便局や広島県の福山郵便局など6局に導入済みで、今後は8月までに計100局、10月までに計200局へと順次導入を拡大し、EC需要の高い「ゆうパック」と「ゆうパケット」の配送に用いることで、2021年3月までの間、導入効果を検証する。

<GYRO CANOPY>

<ECでの需要が高い小型荷物をより多く搭載できる>

一方、ハード面の支援としては、配送車両に日本郵便初の三輪スクーターとして、本田技研工業の「GYRO CANOPY(ジャイロ キャノピー)」を試行導入する。

同車両は、一般的な配送用バイクの運転に必要な普通自動二輪免許が不要で、普通自動車免許や原動機付自転車免許で乗車することが可能。近年、二輪免許保有者が減少傾向にあり、自動二輪車に乗車できる配達員の確保が困難なため、より多くの配達員が乗務できる同車両の導入を決めた。また、車両後部に設置してあるボックスには一般的な配送用バイクと比較して1.4倍の荷物を搭載で、一度により多くの荷物を配送できることも決め手となった。

「GYRO CANOPY」については、広島県の安芸五日市郵便局で6月から導入が決まっており、2020年度中に全国の16局で計32台の導入を予定している。

<オプティマインドの松下社長(左)、日本郵便の三苫郵便・物流業務統括部長(中央)、CBcloudの松本CEO(右)>

日本の宅配業界は、生産人口の減少とEC拡大による宅配便個数の増加を背景とした構造的な人手不足問題を抱えている。今回の日本郵便による取り組みは、誰でも簡単かつ効率的に配達することが可能な仕組みの確立を目指したものだ。

今回の支援策について、日本郵便の三苫 倫理郵便・物流業務統括部長は、「これからは、Withコロナ・Afterコロナの時代となり、ECによる荷物の取り扱いが益々増加するため、現在のアナログな業務方法では配送需要に対応しきれない。今回のソフト・ハード支援によって、誰もが効率的に配送を行える仕組みを作り、ECの需要や日々変化する荷主のニーズに応えていく」とコメント。

また、ソフト面での支援策については、「CBcloudとは1年前から、オプティマインドとは2年前から実証実験を通じて協業している。今回のシステムは3社による協業の集大成だ。今後は、2020年度中の検証によって2~3割の生産性向上が見込めることを前提に、全国の郵便局での導入を検討していく」と述べた。

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