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物流最前線/トップインタビュー日通の医薬品物流戦略

2020年11月04日/物流最前線

<西日本医薬品センター>
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<富山医薬品センター>
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<東日本医薬品センター>
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まず設計から開始、新拠点4カ所の倉庫

―― これらのシステム開発は日通だけで行っているのですか。

石井 いえいえ、我々のパートナーとしてタッグを組んでいるのは、システムはアクセンチュア、設計思想はインテル、機器の製作は村田製作所と、我々の考え方に共鳴していただき、共同で開発に取り組んでいます。

―― 4カ所の拠点をほぼ同時期に開発を進めていますが、苦労された点は。

石井 最初から苦労しました。これまで国内では前例がないですからね。最初の設計から取り組まなければなりませんでした。医薬品メーカーは自社の施設ではありますが、これがロジスティクスの観点からの施設としては全く初めてのものとなります。海外にもよく行きますが、医薬品メーカーのものはあっても、ロジスティクス面からの設計による倉庫は存在していませんでした。

―― 施設のコンセプトをうかがうと、まさにクリーンルームという印象です。

石井 そうです。医薬品の倉庫にこんなにコストがかかるのかと思いました。トラックドッグがありシャッターが閉じて次の工程に行ったときに温度が逸脱しないようにどうすれば温度管理ができるのか、荷受けをする際、どうすれば防虫や外で付いたごみを除去できるのかと。そこでエアシャワーを取り付けるなどさまざまな工夫を凝らしています。単純にクリーンルーム的な設備を導入すればコストが跳ね上がります。コストと機能の両立を図るために苦労したわけです。

―― 医薬品倉庫ということで、防災面ではいかがですか。

石井 日本では、ここ数年様々な災害が発生していますが、医薬品倉庫ということで、躯体の部分から相当な対応を図っています。先日も寝屋川の建設現場に行ってきましたが、地震対策はしっかり行っています。免震構造として、免震ゴムが外から見えるようにしています。杭は104本を岩盤まで打ち込み、すべて免震ゴムを入れています。さらに躯体の外にサポートするものを取付け、最大でも65㎝程度の揺れ幅に抑えています。停電や断水も考えられるので、その対応も図っています。非常用電源も装備していますが、水害に備え屋上に設置しています。さらに、問題だったのがホコリです。天井部分の桟にはどうしてもたまってしまいます。ホコリについても考慮し、サーキュレーターを利用してホコリがとどまらないように、庫内を循環させる対流設計にしてあります。

<石井 孝明副社長>
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次>数年でグローバルネットワーク構築

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