CBcloudは6月28日、配送マッチングプラットフォーム「PickGo」のAPIを公開した「PickGo配送API」のサービスを開始。その第1弾として、セブンーイレブン・ジャパンが展開する「セブンーイレブンネットコンビニ」とのAPI連携を開始し、「PickGo」の配送パートナーによる配送が始まったと発表した。
「PickGo」は、荷物を配送したい個人や法人と、荷物を運びたい配送業者をマッチングするプラットフォーム。2021年6月時点で軽貨物2万8000台、二輪車9000台、一般貨物1000社が登録されている。
従来のAPI連携では「PickGo」と連携したい1社1社とオーダーメードな開発が必要だったが、今回のAPIを公開した連携によってCBcloudが提示した条件に合わせて事業者側が連携内容を開発できるようになり、早期の連携が可能になった。APIの公開は、配送マッチングプラットフォームとしては初めての試み。
この「PickGo 配送API」によるサービスの第1弾となったのが、セブンーイレブンが北海道、広島県、東京都の約370店舗で試験採用している「セブンーイレブンネットコンビニ」だ。
「セブンーイレブンネットコンビニ」は、利用客がスマートフォンで商品を注文後、店舗から最短 30分で指定の場所へ商品を配達するサービス。コロナ禍でのニーズの高まりで共働き世帯や若年層などから利用が増えており、今後のサービス拡大を目指す上で配送を担うパートナーを探していたセブンーイレブンとCBcloudがAPI連携に向けて今年2月からPoC(概念実証)を実施。両社の思想がマッチし、正式に連携を開始することとなった。
「PickGo 配送API」との連携では、「セブン‐イレブンネットコンビニ」経由で利用客から受けた注文依頼が「PickGo配送API」を経由して近辺にいる配送パートナーとマッチング。セブンーイレブン店舗での商品の集荷から指定場所への配送を最短30分で実施する。今後、セブンーイレブンとCBcloudは、今回の連携をいかして「セブンーイレブンネットコンビニ」の導入店舗の拡大を目指す。
このほか、「PickGo 配送API」のサービスはすでにフードデリバリープラットフォーマーに提供されており、現在、十数の都府県の約40拠点で活用されている。また、今夏にはオンライン診療による処方薬の当日配送にも対応する予定だ。
CBcloudは、配送マッチングプラットフォーム「PickGo」が進む次なるステージとして、「オンデマンド配送2.0」を掲げている。
現行の「PickGo」によるオンデマンド配送(1.0)では緊急配送への対応を実現した一方で、品質や配送料金の面に課題を残していた。「オンデマンド配送2.0」では、配送事業者の稼働率を可視化し、スキマ時間に行える配送案件を提供することで生産性を最大化。また、荷主側にも配送の波動対応力を強化することで収益の拡大を支援し、「速い・高品質・安い」の実現を目指す。
オンラインで開催された「PickGo配送API」に関する記者会見で、CBcloudの松本 隆一CEOは「『PickGo配送API』や『オンデマンド配送2.0』の考え方は、ともにDX(デジタルトランスフォーメーション)の一環であり、サプライチェーンの安定化に寄与する。先般に閣議決定された『総合物流施策大綱』にも示された持続可能なネットワークの構築につながる取り組みだ」とコメントした。
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