ヤマト運輸と岡山県和気町は12月6日、ティーエスアルフレッサ、NTTドコモと連携し、持続的な医薬品輸送ネットワークの構築に向け、地域の医療機関が必要としている医療商材や個人宅までの処方薬などの輸送での無人航空機(ドローン)の経済的実現性を検証する実証実験を同日開始したと発表した。
実証実験概要は、医療用医薬品等の商品を医薬品卸ティーエスアルフレッサの物流拠点からヤマト運輸が集荷し、ドローンにより赤磐吉井センターから医療機関(渋藤医院)への輸送、さらにオンライン診療・服薬指導後の処方薬を調剤薬局(林薬局)から患者宅までドローンで輸送した。
今後、2022年1月末日までの期間で12日間の実験を行い、2月以降は第2フェーズとして、ドローンポートを使用せず個人宅へ離着陸する技術検証および、ドローン運行の内製化検証を行う。また、都市部でもドローンの社会実装に向けた取り組みを進め、将来的には複数の温度帯での医薬品輸送や宅急便の配送など、ドローンの活用を広げていくことを目指す。
和気町は、町内での医薬品輸送ネットワークおよびオンライン診療体制の構築をヤマト運輸と一体で進めることで、持続的な医療提供体制の確保、安心して住み続けられるまちづくりを目指す。
<関係者の集合写真 左から、岡山県和気町議会山本 泰正議長、国土交通省航空局次世代航空モビリティ企画室川口 望主査、岡山県和気町草加 信義町長、ヤマト運輸小菅 泰治専務執行役員、NTTドコモ三ケ尻 哲也執行役員ビジネスクリエーション部部長、岡山県議会内山 登議員、赤磐市友實 武則市長>
なお、実証実験開始にあたりヤマト運輸の小菅 泰治専務執行役員は「地域医療の分野では高齢化・過疎化が益々進み、これまでの医薬品流通ネットワークの維持が深刻な社会課題となりつつある。個々では解決が難しい問題でも、自治体、病院、調剤薬局、医薬品卸、通信・ネットワーク事業会社と一緒に取り組み、新たな輸送モードであるドローンを活用することで、地域での持続可能な医薬品ネットワークの構築を目指していきたいと考えている。ヤマト運輸は未来の地域医療を支えるべく、精一杯取り組んでいく」とコメント。
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