ラピュタロボティクスは6月28日、東京都江東区木場に400m2のデモ施設を併設した新オフィスを正式にオープンし、その内部を公開した。
新オフィスは、木場駅から徒歩2分のオフィスビル内に所在。7階と11階の2フロア構成で、7階がロボットのデモンストレーションスペースとR&D施設、11階がオフィスとなっている。
同社は、新オフィスから1km程度離れた場所にオフィスやデモスペース、R&D機能を有する既存拠点を構えているが、運送業や倉庫業での自動化ソリューションを活用した省力化・ 省人化への需要の高まりを受けて、既存の約2倍の広さのデモスペースを有する新オフィスをオープンすることとなった。
同社の創業者であるモーハナラージャ・ガジャンCEOは「新オフィスは駅から近く、顧客がロボットのデモンストレーションを見学に来てもらいやすい立地。当社が強みを持つロボットの群制御技術は、複数のロボットを同時に動かさないと魅力を伝えにくいため、新オフィスではデモスペースを拡大した」と、新オフィスを開設した経緯を語る。
新たなデモスペースには、協働型ピッキングアシストロボット「ラピュタPA-AMR」を計25台程常備。また、商品棚などの什器を配置し、物流倉庫でのピッキング作業現場を想定した環境を整えた。
顧客が同スペースを訪れることで、実体験を通じてテクノロジーの現場での活用の着想を得てもらうほか、技術的に複雑な群制御を実際に見てもらい理解の深化につなげる。また、外部者が往訪しにくい物流の現場を知り、現場環境への理解を深めてもらうといった狙いもある。
ラピュタロボティクスの提供するクラウドロボティクス・プラットフォーム「rapyuta.io」および、同プラットフォームから開発された協働型ピッキングアシストロボット「ラピュタPA-AMR」によるソリューションでは、商品かごを搭載した複数台のAMRが協調して動き、人に代わって商品棚間を走行することで、ピッキング作業員の作業負荷を軽減する。
作業員はAMRにピッキングした商品を格納し、AMRから受けた指示をもとに、また別のAMRが待機している商品棚へと向かう。商品棚間の移動経路は「rapyuta.io」が最適な経路を算出して提示することで、物流倉庫での作業時間の5~6割を占めると言われるピッキング作業者の歩行にかかる時間を大幅に削減し、生産性を向上することができる。
ソリューションの導入効果について「現場によって異なるが、おおよそ歩行時間を半減し、生産性を2倍に高めることができる」と、森 亮 執行役員は語る。ソリューションは、佐川グローバルロジスティクスや日本通運、京葉流通倉庫等で採用されており、このうち佐川グローバルロジスティクスの現場では、導入前との比較で生産性が2.5倍にまで向上している。
こうしたソリューションを提供するラピュタロボティクスには、ロボティクスのハードウェア、ソフトウェア、AIに精通する20か国・120名の従業員が在籍している。「国際的な環境はスタートアップが活躍する中で大切なこと。グローバルから幅広い人材を雇用することが、優れた製品造りにつながる」と、森 執行役員。
そのため、新オフィスでは福利厚生の一環として、11階のオフィスフロアにベジタリアンフードなど多国籍な社員の食文化や価値観に配慮したメニューを用意した社員食堂「Gina’s Lounge」を併設した。メニューは、肉、魚、野菜を使った主菜のほか、サラダやスープといったサイドメニューを日替わりで提供している。昼時には、オフィス内のさまざまな部署から人が集まり、ランチを通して部署間のコミュニケーションを深めている。
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