商船三井、常石造船、三井E&S造船の3社は4月14日、共同開発を進めるアンモニアを燃料とする外航液化ガス輸送船についてリスク評価を行い、4月10日付で日本海事協会(ClassNK)とロイド船級協会から基本設計承認(AiP)を取得したと発表した。ClassNKとロイド船級協会の両者からAiPを取得したのは、今回が世界初。
同船は、燃焼時にCO2を排出しないアンモニアを燃料として使用できる主機関を搭載した、中型アンモニア・LPG輸送船。貨物として積載したアンモニアの一部を燃料として使用し、航海中のCO2排出量ネットゼロを実現することを目標としている。
次世代のクリーンエネルギーとして期待されるアンモニアは、特性である可燃性・毒性・腐食性に対して十分な安全性を確保する必要がある。加えて、現時点ではアンモニアを舶用燃料として利用するための国際的な規則が存在していないという課題もある。
そこで、船舶の安全性への深い知見とアンモニア燃料船のガイドラインを持つClassNKおよびロイド船級協会とそれぞれHAZIDを実施し、アンモニアを舶用燃料として使用する際の安全性について多角的な視点からリスク評価を行った結果、両船級協会から同船の基本設計に関する安全性が評価された。
今後は、今回のリスク評価、AiP取得で得た知見を生かし、ネットゼロ・エミッション外航船となる同船の2026年頃の竣工に向けて設計を進めていく。