大日本印刷株式会社(DNP)は、フィリピンのマニラで5月17日に開催された「Asia and the Pacific Transport Forum 2024」に参加し、冷蔵車不足や都心部の渋滞などが課題のフィリピンで役立つ取り組みを紹介した。
<DNPモビリティ事業部 神戸博文氏が講演>
フォーラムはアジア開発銀行の主催。DNPは「多機能断熱ボックスと物流配送管理システムを活用したコールドチェーンソリューション」について講演した。
この取り組みは、電源無しで内部の温度を長時間一定に保つ「DNP多機能断熱ボックス」と、DNPが開発した配送業務管理者用のWebページと配送ドライバー用のスマホアプリで構成した「デジタル配送管理システム」を活用し、フィリピンの低温度帯配送「コールドチェーン」市場に新たな選択肢の提供を目指すもの。
<配送ドライバーのイメージ>
フィリピンでは、配送ドライバーの不足、都心部の深刻な慢性的渋滞、配送の仕組みの整備遅れなど、多くの物流課題があり、近年は特にオンラインショッピングやフードデリバリーの急増を受け、深刻化しているという。
DNPはこうした課題解決を目指し、ユニアデックス、Global Mobility Serviceとフィリピンで合弁会社「3Q DASH TECHNOLOX」を2022年に設立。コールドチェーンの拡大と雇用創出の可能性を検証する実証事業を実施してきた。
多機能断熱ボックスや配送管理システムの活用は、物流の最終拠点からエンドユーザーまで「ラストワンマイル」のコールドチェーン実現に向けた仕組み。
DNPとしては東南アジアや各国・地域の市場に向け、より安価で簡便にコールドチェーンを実現する仕組みの構築を図っていく考え。
DNP/軽量かつ長時間保冷可能な「DNP多機能断熱ボックス」を発売