シーアールイーは2月15日、京都府京田辺市で開発を進めていた大型物流施設「ロジスクエア京田辺A」が竣工した。なお、竣工に先立ち複数のテナント企業と賃貸借を合意済み。内定率100%となっている。
場所は京都府南部に位置し、人口集積地である大阪北摂エリアや京都中心部へアクセスがよく、近隣には多くの工場・倉庫が立地する大住工業団地がある。高速道路へのアクセスにも優れており広域道路の結節点として、交通ネットワークの利便性に恵まれている立地だ。
将来的には新名神高速道路の全線開通により、新名神高速道路を軸とした新たな広域物流ネットワークが構築され、更なる利便性向上が期待される。
地上4階建て、延べ面積15万6333m2。2階、3階及び4階へ大型車両が直接乗り入れ可能なランプウェイを設け、各階に両面トラックバースを備えるマルチテナント型施設だ。
ランプウェイは上り専用と下り専用をそれぞれ2基ずつ、計4基設置するクアドラプルランプウェイ方式で、トラックバースは計224台の大型車が同時接車可能。30台分のトラック待機場と合わせて、効率的な入出庫オペレーションを実現する。
倉庫部分の基本スペックとして、外壁には金属断熱サンドイッチパネルを採用。床荷重は1.5t/m2、有効高さは各階6.0m(4階のみ5.5m)以上を確保した。最大16テナントが入居でき、最大4000kWの特別高圧電力が提供可能なため、様々なテナントオペレーションに対応できる。
アメニティとしては4階の3か所に売店を併設したカフェテリアを設置。施設内のどこからでも利用しやすく、働く人々の就業環境の向上に寄与する仕様となっている。
敷地内には従業員やドライバー専用の売店、休憩室を備えた約138坪の共用棟を設けている。隣りに建設中の「ロジスクエア京田辺B」が完成すると、両棟の従業員とドライバーが利用できる施設となる。
特徴的なのは、地域に馴染む独自のブランディング。CREは「ロジスクエア」の開発において、従業員の就業環境の向上や地域貢献のため、ランドスケープデザインを取り入れた外部空間を積極的に採用。「露路ガーデン(Logi Garden)」をコンセプトに、施設全体をデザインしている。
「露路」は、Logisticsの「ロジ」であり、通路や小道を意味する「路地」であり、屋外庭園を表す「露地」でもある。「この多面性が地域の人々の心を支え、新しい出会いと交流を育む場所となり、新しいコミュニケーションスペースで、コミュニティを創り上げ、ロジスクエアの一角に人々が集う心地よい露路としていきたい」としている。
環境面では、廃材をリサイクルしたタイルなどの建材を施設各所に採用。共用棟を木造建築とすることで約71t、共用棟内のカフェテリアで京都府内の森林から伐採した木材を使用した家具を採用するなど、約1.9tの二酸化炭素貯蔵を実現。カーボンニュートラルに貢献する。このほか全館LED 照明、人感センサー、節水型衛生器具を採用し、環境や省エネルギーにも配慮している。今後太陽光発電システムの導入予定だ。
■概要
施設名称:ロジスクエア京田辺A
所在地:京都府京田辺市大住門田、他
敷地面積:6万6255.80m2(2万42.37坪)
用途地域:工業専用地域
主要用途:倉庫(倉庫業を営む倉庫)
構造規模:倉庫 柱 鉄筋コンクリート造+梁 鉄骨造(最上階のみ柱 鉄骨造) 地上4階建て
共用棟:木造 平屋建て
延ベ面積:15万6333.67m2(4万7290.93坪)
内訳 倉庫15万5878.19m2(4万7153.15坪)、共用棟455.48m2(137.78坪)
着工:2023年4月17日
竣工:2025年2月15日
設計施工:錢高組
監理監修:INA新建築研究所