ESRは2月28日、横浜市金沢区幸浦に敷地面積7万4722m2(2万2603坪)、延床面積16万5262m2(4万9992坪)の4階建てマルチテナント型物流施設「ESR横浜幸浦ディストリビューションセンター3」(横浜幸浦DC3)を竣工した。
<「ESR 横浜幸浦ディストリビューションセンター3」夜間の外観 >
「横浜幸浦DC3」は、横浜市の最南端である金沢区の東京湾に面した約33万m2(10万坪)に計画されているロジスティクスパークの3期目で、2022年1月31日竣工の1期目(ESR横浜幸浦ディストリビューションセンター1、以下 DC1)、2023年1月31日竣工の2期目(ESR横浜幸浦ディストリビューションセンター2、以下 DC2)に続く物流施設。
「横浜幸浦DC3」は、ESRとして全国で36件目の竣工プロジェクト。外観デザインは海のさざ波をイメージし、白を基調に青を配色させ、DC1とDC2と連続性を持たせるデザインにした。
<「ESR 横浜幸浦ディストリビューションセンター3」昼間の外観 >
<アクセス図 【車】 首都高速湾岸線「杉田IC」より3km/横浜横須賀道路「並木IC」より2.5km 【電車】金沢シーサイドライン「並木北駅」より1.2km(徒歩15分)>
立地は、国道357号線、16号線が至近で横浜横須賀道路「並木IC」より約2.5km、首都高速道路湾岸線「杉田IC」より3.0km、横浜中心部まで13km、東京都心まで46km、横浜港より15km、羽田空港より31kmと陸・海・空の輸送インフラが整っている。
なお、開通時期は現在協議中の横浜環状南線(戸塚IC~栄JCT~釜利谷JCT)の開通により圏央道に直結し、東名高速道路ほか、主要幹線道路へのアクセスが格段に向上する予定だ。
施設は物流運営の効率性と汎用性を重視した設計を行っている。
40フィートのコンテナトレーラーも走行可能な上り下り専用ランプウェイを結ぶ中央車路・センターバース式によって、各階へ一方通行でアクセスできるようになっている。
荷物の積み下ろしのためのトラックバースは、各階54台設置。全フロア1mの高床式倉庫でバースの奥行は14.3mを確保。ドックレベラーは実装40台、将来対応32台まで設置可能。
敷地内には海上コンテナトレーラーに対応できるエリアも含め、トラック待機場を42台備えている。
倉庫の床荷重は1階が2.0t/m2、2階-4階は1.5t/m2を確保し、全ての階で2.5tのフォークリフトが走行可能。
梁下有効高は1階-3階が5.5m、4階は5.5m~6.48m、柱スパンは間口11m×奥行き11m、最上階の4階は柱本数が少なくワイドスパンでより使い勝手の良い空間になっている。
荷物用エレベーターと垂直搬送機は将来対応位置を確保した。
最小賃貸区画は2631m2(796坪)、半フロア18181m2(5500坪)からワンフロア36363m2(1万1000坪)の中で豊富なプランの提案が可能。
また、特別高圧電力の供給により、ロボティクス、冷蔵冷凍設備、倉庫内空調、ハイスペックな物流システム導入など入居企業の多様なニーズに応えることができる。
物流施設に加えて研究棟も併設し、床面照度は平均1ooolx確保し、その床面は長尺シート仕様とすることで薬品類に対する耐久性を高めた。独立した建物のため、騒音・振動を伴う作業も行うことができる。研究棟は危険物倉庫への転換も可能。
横浜幸浦DC3では、従業員用の駐車場は395台(うち9台は軽自動車用)を完備。最寄り駅の金沢シーサイドライン「並木北」駅から約1.2km(徒歩約15分)と通勤もしやすく、横浜市、近郊、京急本線・根岸線沿いのベッドタウンの豊富な労働人口を背景に雇用確保にも優位な立地。
休憩ラウンジは北東と北西に配置。北東ラウンジは「船」をコンセプトとし、大型のスカイデッキを整備しており眺望が良好。北西ラウンジは「雲」をイメージした空間で、季節の移ろいを楽しみリラックスできる環境としてDC1で保存・再生した「金沢の森」を共有。施設内には弁当や飲み物などを販売する24時間対応の無人売店がある。
横浜幸浦DC3には託児所に加え、共用部には女性用パウダーコーナー、シャワー室、喫煙専用室を設ける。また、ドライバー専用の休憩室、トイレ、喫煙所、シャワー室も備えている。
ESGの取り組みでは、太陽光発電所の設置を進めている。全館LED照明など環境負荷低減に配慮した建築計画により、CASBEE Aランク、BELS 6スター、ZEB Readyの各認証を取得予定だ。
BCP(事業継続計画)対策として、非常用発電機を備え、停電時でも防災センター機能、オフィスの一部照明・コンセントと倉庫内の一部照明、給排水ポンプなどに給電可能。浸水対策として、ハザードマップの想定浸水高を上回る倉庫床レベル(高床倉庫)を確保し、災害リスクに備えている。また、受変電設備は架台を設けた上にキュービクルを設置することで、給電停止リスクを低減する。
■概要
名称:ESR横浜幸浦ディストリビューションセンター3
所在地:神奈川県横浜市金沢区幸浦1-8-5
敷地面積:7万4722.25m2(2万2603.48坪)
延床面積:16万5262.96m2(4万9992.05坪)
構造:地上4階建・PCaPC造・免震構造
用途地域:工業地域
着工:2023年9月1日
工事期間:2023年9月1日~2025年2月28日
設計:塩浜工業東京本社一級建築士事務所
[ラウンジ・託児所・スカイデッキ]タカトタマガミデザイン
施工:塩浜工業
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