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日産/物流で効率化とモーダルシフト推進、CO2排出量8.9%減

2015年06月23日/生産

日産自動車は6月23日、サスティナビリティ報告書を作成し、環境面での物流分野の取組を公表した。

2000年から自社手配のトラックがサプライヤーを回り、必要な部品を引き取る「引取輸送方式」を、海外を含む多くの生産工場で広く採用し、グローバルに効率化を推進している。

サプライヤーと共同で納入頻度の適正化や輸送ルートの最適化、梱包仕様(荷姿)の改善に取り組み、積載率の向上とトラック台数の削減を進めている。

完成車やサービス部品の分野で取り組んできたOEMとの共同輸送を、2014年から生産用部品の領域にも拡大することで、さらなる効率的な輸送の実現を目指している。

点数が多く、多種多様な材質・形状をしている自動車部品の荷姿の工夫にも力を入れている。「物流サイマル活動」として、新車の設計開発段階から輸送効率を考慮した部品設計に取り組み、クルマ1台当たりの部品調達荷量を削減することで、輸送量の削減を目指している。

コンテナ輸送は、従来より寸法が大きい40ftハイキューブのコンテナを採用したり、シミュレーションソフトを使ってコンテナ内の無駄なスペースを削減するなど、常に輸送効率の向上を図っており、部品の輸送では、2010年に89.6%だったコンテナ充填率が2014年には94.2%まで向上している。

物流手段についても随時見直しを行い、海上輸送および鉄道輸送へのモーダルシフトを推進している。日本での完成車輸送は、約70%を海上輸送で行っている。関東地区から日産自動車九州の工場への部品輸送はほぼ全量を鉄道や船舶で行っており、特に船舶へのモーダルシフトについては優良事業者として国土交通省からの認定を取得している。

海外拠点では、それぞれの地理的特性を生かした輸送手段を選択している。輸送先に応じて鉄道や船舶を使い、従来のトラック輸送からの切り替えを推進。中国では国内向け完成車輸送に船舶と鉄道を利用する比率を高めている。

2010年から省エネルギー型自動車運搬船の採用を推進しており、2014年までに5隻の省エネルギー船を導入している。

物流活動がグローバルに拡大する中、効率化とモーダルシフトを推進し、2016年度までに物流でのCO2排出量を6%削減(2005年度比、台当たりのCO2排出量)することを目標としている。

2014年度のグローバル台当たりCO2排出量は約0.39トンとなり、2005年度比で約8.9%の削減となった、としている。

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