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人手不足が一段と深刻化/「運輸・倉庫」は3か月連続悪化

2019年04月03日/調査・統計

帝国データバンク(TDB)は4月3日、「TDB景気動向調査(全国)― 2019年3月調査」で、「運輸・倉庫」は景気DIが前月比0.1ポイント減の48.1と、3か月連続で悪化したと発表した。

工事や引っ越しなどの荷動きが年度末を迎え活発化する一方で、人手不足が一段と深刻化しており、一部で受注を見合わせる事態が発生、設備稼働率DIは1年9か月ぶりの低水準となった。

加えて、軽油価格が6週連続で上昇したことから、人件費とともに燃料費負担も重くのしかかり、一般貨物自動車運送や倉庫業などの景況感が悪化した。

現在の景況感について企業からは、「本来3月の年度末は活況を帯びるが、協力会社などの人手不足の影響で、運営が苦しく、売り上げに結びついてこない(一般貨物自動車運送)」「中国との物流が減っている(港湾運送)」「顧客企業が決算前の駆け込み出荷をしている(利用運送)」「ガス充填は暖冬により出荷が計画比80~90%で推移(特定貨物自動車運送)」「人手不足で売り上げ減少。燃料価格が値上がりしている(一般貨物自動車運送)」といった声があった。

一方、先行きについては、「燃料高騰が一巡し、運賃値上げ効果もあり、直近3か月は好調と予測(一般貨物自動車運送)」「2019年4月以降、労働法制の変更により輸送の需給環境は一段と厳しくなる(一般貨物自動車運送)」「業界的にコンテナ取扱量の頭打ち状況が続くと予想(港湾運送)」という声があがっている。

全体の2019年3月の景気DIは、前月比0.3ポイント減の46.9となり、4 か月連続で悪化した。国内景気は、製造業の悪化やコスト負担増などがマイナス材料となり、一部で後退局面に入った可能性がある。

今後の国内景気は、大型イベントなどがプラス材料となる一方、輸出低迷や設備投資の鈍化に加えて海外リスクも抱え、不透明感が一層強まっている。

業種ごとでは、10業界中4業界が悪化し、5業界が改善、1業界が横ばいとなった。中国景気の減速などを受け12業種すべての景気DIが50を下回るなど、「製造」が大きく悪化。一方で、年度末需要は各業界でプラス材料となった。

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