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東電ベンチャーズ等/冷凍冷蔵倉庫で電力の使用抑制操作を自動化

2021年11月30日/IT・機器

東京電力ベンチャーズは11月30日、ニッスイ・エンジニアリング、前川製作所との協業で、冷凍機の自動制御によるデマンドレスポンス(DR)を松岡が運営する物流センター「福岡Central DC」(福岡市東区)に導入し、12月1日から稼働すると発表した。

<自動制御が実装された松岡・福岡Central DC>
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<各社の役割>
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DRとは、電力卸市場価格の高騰時や系統信頼性の低下時に、電気料金価格の設定やインセンティブの支払に応じて、電力を使用する事業者側が電力の使用を抑制するよう電力の消費パターンを変化させる取り組みのこと。

従来のDRでは、電力会社(一般送配電事業者)側からDRが発動されると、電力を使用する事業者が調整対象設備の一部起動または停止を手動で行う必要があったが、今回導入した冷凍機の自動制御によるDRでは、DR発動への対応を無人化することができる。

冷凍機の自動制御によるDRは冷凍冷蔵倉庫としては初の取り組みで、2021年度向け調整力公募の冬季厳気象期間が12月1日から始まるのに合わせて、松岡・福岡Central DCで同設備の運用が開始される。

<前川製作所の高効率自然冷媒冷凍ユニット「NewTon」>
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冷凍機の自動制御によるDRを採用した松岡の福岡Central DCは国内最大規模の冷凍冷蔵倉庫で、前川製作所の高効率自然冷媒冷凍ユニット「NewTon」が導入されている。今回の冷凍機の自動制御実現にあたってはNewTonの冷凍機制御システムを活用し、一部改修を実施した。DR発動時には東京電力ベンチャーズからのDR発動信号をNewTonが受信し、自動で冷凍機を停止し、目標値まで使用電力を削減。DR発動終了後は、自動的に冷凍機を起動し、通常運転に復帰する。

東京電力ベンチャーズでは、起動・停止等の応答速度が速く24時間DR対応が可能な冷凍機について、より高度な制御が要求される需給調整市場への適合性が高いと見込んでおり、同社による今後の需給調整市場への参入にあたり、技術開発を継続していく方針。

また、東京電力ベンチャーズ、ニッスイ・エンジニアリング、前川製作所、松岡の4社は、脱炭素社会の実現に向けた各種課題の解決に向けて、松岡が運営する他の物流センターでも冷凍機の自動制御によるDRを実装していくとしている。

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