川崎汽船は12月6日、豪州農業水資源省より、同社運航の自動車専用船を対象として2021年11月18日付にてVessel Seasonal Pest Scheme(VSPS)の認証を取得したと発表した。
豪州当局は、カメムシをはじめとした農作物に害を及ぼす外来種の国内侵入を防ぐため、外航船に対する検疫を強化しており、自動車船においても同船と積載車両が検疫対象とされている。
検疫対象となるカメムシなどの農業害虫は、北半球が冬季の時期に寄港した同船内に侵入し、同船が豪州に近付き気温が上昇していくとともに船内での行動を活発化させる傾向がある。そのため豪州当局は、同国が夏季である9月から5月の間をハイリスクシーズンとしている。
VSPS認証は、船内へのカメムシなどの農業害虫侵入リスク低減について、豪州当局が定める基準を満たした船会社に対して行われている。今年度の同社リスク低減対策(積み荷役前の同船艙内クリーニング、航海中の艙内貨物チェックなど)がその基準を満たしているとの認定を受け、この度、VSPS認証の取得に至ったもの。
VSPS認証取得によって、豪州入港時の検疫検査をより円滑に進めることができ、同船スケジュール遅延リスクの低減が期待される。
川崎汽船/自動車船でのEV輸送、火災安全対策でノーテーション取得