LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





AZ-COM丸和HD/C&FロジHD完全子会社化へTOB実施表明

2024年03月21日/SCM・経営

AZ-COM丸和ホールディングスは3月21日、C&Fロジホールディングスの完全子会社化を目的として、同社に対するTOB(株式公開買付け)を実施すると発表した。

TOBは、C&FロジHDの発行済株式総数2569万766株のうち、1084万8304株を下限として実施する。取得株式数に上限は設けていない。

TOBの開始時期は2024年5月上旬を予定。TOBの実行について、3月21日時点でC&FロジHD取締役会の賛同は得られていない。AZ-COM丸和HDは、同日付でC&FロジHDに対してTOBに関する詳細な提案を記載した意向表明書を提出している。

買付代金は総額651億6239万4000円と試算しており、決済には自己資金とみずほ銀行からの借入金(公開買付けが成立した場合、決済開始日の前営業日までに670億円を上限として借入を受ける予定)を用いる。

AZ-COM丸和HDは、C&FロジHDを完全子会社化することにより、両社の経営リソースを共有、または相互に活用することで、低温食品物流事業でシナジーを発現させ、収益性を高めていくことが両社の競争力強化につながると考えている。

具体的なシナジーとしては、両社グループの事業領域の相互補完として、(1)物流ネットワークの強化(共同配送)、(2)スケールメリット、(3)EC関連物流事業の拡大、(4)産地直送バリューチェーンでの協働、(5)川上から川下までのサプライチェーンでの物流網の構築、(6)BCP物流支援事業の共同展開、(7)効果的な営業体制の構築、(8)海外事業の展開、(9)モーダルシフトの推進を挙げている。

また、両社グループの機能強化として、(1)人財採用・人財育成、(2)省力化/省人化投資の加速を挙げており、AZ-COM丸和HDは、これらの各種シナジーの実現が、両社の中長期的な企業価値を向上させるとしている。

AZ-COM丸和HDによると、同社は2022年10月17日、C&FロジHDに対して、企業価値向上のための事業戦略面での協働と経営統合を行うことを提案。その後、両社間でこの提案について協議を行ってきたが、2023年10月5日にC&FロジHDの取締役会から経営統合提案について検討の中止を決定した旨の通知書を受領。

AZ-COM丸和HDが通知書の内容を確認したところ、「シナジーが限定的」、「企業文化の相違」等の懸念点が検討中止の主な理由として挙げられていたが、同社が懸念点について検証を重ねた結果、懸念は想定されず、経営統合提案はむしろC&FロジHDにとっても大きなシナジーの創出が見込まれる提案であり、社会的課題でもある物流業界全体の課題の解決に資すると考えるに至ったという。

そして、2024年1月中旬、AZ-COM丸和HDは、経営統合よりも、C&FロジHDを完全子会社化する方が、想定されるシナジーを早期に実現することが可能となると判断し、C&FロジHDに対するTOBが両社の株主、顧客、従業員、その他ステークホルダーに対して大きな利益をもたらすとの結論に達したことから、3月21日開催の取締役会で買収の意向を固めた。AZ-COM丸和HDは、C&FロジHDを完全子会社化することで、ニチレイロジグループ本社、ヤマトホールディングスに次ぐ、国内低温物流シェア3位となる。

TOBは(1)実行にあたり必要となる国内外の競争法と外資規制に基づく手続が全て完了、または公開買付期間の末日までに完了することが合理的に見込まれるとAZ-COM丸和HDが判断していること、(2)法第27条の11第1項但書に定める公開買付けの撤回が認められる事由が生じていないこと、及びC&FロジHDの業務執行を決定する機関が決済開始日前を基準日とする剰余金の配当または取得日とする自己株式の取得についての決定をしていないこと、以上の前提条件全てが充足される、またはAZ-COM丸和HDにより放棄された場合に開始される。

なお、AZ-COM丸和HDは、C&FロジHDからTOBの開始を延期するよう申出がなされた場合でも、現時点で開始を延期する予定はないとしている。

AZ-COM丸和HDの和佐見 勝 代表は、3月21日時点でC&FロジHDの株式72万8400株(所有割合3.35%)を所有する大株主。AZ-COM丸和HDもC&FロジHDの株式を2万4296株(所有割合0.11%)所有している。

関連記事

SCM・経営に関する最新ニュース

最新ニュース