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セイノーHD/田口社長、三菱電機ロジとのシナジーは「かけ算」 成長戦略語る

2024年06月19日/SCM・経営

セイノーホールディングス(HD)は6月19日、三菱電機の物流子会社、三菱電機ロジスティクスを子会社化する方針について、パートナーシップ戦略説明会を開催した。

同社は18日、今年10月を目途に三菱ロジスティクスの株式66.6%を取得することを発表。手元資金572億円を投下する大型投資となるが、その目的やシナジー効果について、田口義隆社長は「いろいろなノウハウを持った三菱電機ロジスティクスとの共創により、かけ算でのインフラ設計ができる。日本の多くの企業に対し、当社が目指す『Team Green Logistics』を提供したい」と語った。

<セイノーHD 田口義隆社長>
0619seino1 - セイノーHD/田口社長、三菱電機ロジとのシナジーは「かけ算」 成長戦略語る

「Team Green Logistics」とは、中長期の経営の方向性「ロードマップ2028」で掲げるスローガン。オープン・パブリック・プラットフォーム(O.P.P)の概念のもと、ロジスティクス・貸切・特積みの3つの領域を中心に他社連携を強化し、サプライチェーン全体で顧客の繁栄に貢献する。特積みでは今年5月に日本郵便との連携を発表しており、今回の投資はロジスティクス関連事業の成長に繋げ、「ロジのSEINOとしてロジスティクスの総合窓口となる」という構想を描いている。

三菱電機ロジスティクスは1958年7月に設立。売上高は1063億円(単体:2024年3月実績)、営業利益は31億円(同)。生産・調達から販売物流まで、さらに国際物流ソリューションや半導体・電子部品物流、精密機器輸送など専門性の高い物流技術に強みを持つ。

同社のエレクトロニクス領域での豊富なノウハウに、セイノーHDの物流ソリューションをかけ合わせることで、新たな価値提供を目指す。

具体的には、セイノーグループの全国ネットワークや、両社の物流センター機能の活用、共同輸送などにより積載率向上・コスト削減に取り組む。またセイノー傘下の「ハコベル」の車両供給力を活用することで、2024年問題やドライバー不足による「運べないリスク」に対応し、より安定したグリーン物流を構築する。

国際物流においても、欧米やインドなど世界戦略への協調を図る。傘下のセイノー情報サービスは物流ITソリューションにより、グローバルサプライチェーンの最適化を推進し、「海外売上高比率が5割超の三菱電機がこのシステムに魅力を感じたことも、今回のポイントとなった」という。セイノーHDは今年5月にインドのマヒンドラロジスティクスと合弁会社を設立しており、経済成長著しいインド市場に進出したい日本企業にも貢献する。

今後の運営体制としては、三菱電機ロジスティクスを国内と海外を結ぶロジスティクス事業の中核会社として成長させるため、エレクトロニクス領域を皮切りに、人的交流などを含め連携を深めていく。

業績見通しは、ロードマップでロジスティクス事業約1200億円(2026年3月時点)を掲げており、エレクトロニクス領域を中心にさらなる成長を見込む。

また国際物流においてもセイノーHDと関連会社の収入約1360億円(2024年3月時点)の上に、三菱電機ロジスティクスへの支援やメーカー国際物流のノウハウを積み重ねることで、共に成長していく考えだ。

田口社長は「日本が直面している少子高齢化や環境問題などの課題に対し新たな物流モデルを構築し、日本のインフラづくりをしていきたい。今回の出資事案を1つの事例に、さまざまなパートナーとの連携を一層強化し、オープンに取り組んでいきたい」と展望を語った。

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