日本郵船は10月20日から26日にかけて、フィリピンのマニラ近郊でTransnational Diversified Group(TDG)と共同運営する商船大学NYK-TDG Maritime Academy(「NTMA)の学生と日本で海事産業について学ぶ学生との国際海事交流プログラム第2弾を実施した。
NTMAの学生8名が日本に訪れ、東京海洋大学と広島商船高等専門学校で乗船実習やカッターボート訓練などを、また日本郵船本店では陸上勤務中のフィリピン人船員との座談会を実施した。
また、日本の海事産業や文化を知るため、ジャパンマリンユナイテッド株式会社(JMU)の津事業所、日本郵船氷川丸(神奈川県横浜市)、同社グループの日本油化工業(日本油化)やユニエツクスNCTが運営する日本郵船東京コンテナターミナルの見学を行った。
プログラムは日本とフィリピンで船員を目指す学生が、互いの国に約1週間滞在し、座学や実技研修、観光を通じて言葉や文化などの違いを体験することで国際感覚を養うとともに国籍を超えたネットワークを構築することが目的。2015年から毎年実施していたが、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大防止のため2019年を最後に中止していた。
5年ぶりに再開したプログラム要領は、第1弾が神戸大学、東京海洋大学、長崎大学の学生がNTMAへ短期留学(8月19日から同月26日)。富山高等専門学校、広島商船高等専門学校、弓削商船高等専門学校の学生がNTMAへ短期留学(8月23日から9月2日)。
第2弾が、NTMAの学生が東京海洋大学、広島商船高等専門学校や日本郵船、グループ会社を訪問(10月20日から同月26日)する形で実施された。
参加した日本人学生からは「海外の商船学校の雰囲気に少しでも触れられたのはとても刺激的だった」「NTMAの皆さんはとても親切で優しく、親しみやすかった」「味噌汁や納豆等、日本の伝統食をとても美味しそうに食べていたのが印象的だった」といった感想が、NTMAの学生からは「異なる国の文化に触れられただけでなく、船の主機を実際に始動させるなど映像でしか学べなかったことを実践できたのは大変貴重な経験だった」「他の国籍の人たちとのコミュニケーションの取り方を学ぶことができ、とても有意義なプログラムだった」などのコメントが寄せられた。
日本郵船は今後も、国内外の教育・研究機関と協力し、海運業界の未来を担う若者の育成に貢献していくとしている。
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