マクニカは4月2日、車両の運行管理とデータ解析を専門とする2000年に創業したカナダのグローバル企業Geotab Inc.(ジオタブ)と協業し、運送業界をとりまく「2024年問題」を解決に導く運行管理テレマティクスソリューション「everfleet Drive(エバーフリート ドライブ)」の提供を開始すると発表した。
「everfleet Drive」は、バスやトラック、タクシーなどの運送業界において、車両を一元的に管理し、運行管理業務の効率化を可能にする。さらに安全性を向上させ交通事故削減、燃費の向上なども期待できる。
「テレマティクス」とは「テレコミュニケーション(通信)」と「インフォマティクス(情報技術)」を組み合わせた造語で、主に通信技術を利用して車両の位置情報やドライバーの状態などのデータを提供・収集するシステムを指す。
提供を開始する「everfleet Drive」は、大量の車両データを一元的に取得・管理し、そのデータを効果的に活用し分析できるツールとなる。マクニカはこれまで、MaaSやモビリティ事業領域において自動運転EVバスやその遠隔運行管理システムとして「everfleet」を提供し、モビリティの課題解決に注力してきた。
その中で培ってきた情報収集技術に関する知見や知識と、世界で約400万台、23年間に渡るGeotabのテレマティクスのノウハウを日本市場に適した製品としてローカリゼーションすることで、企業ごとに異なる多様なニーズに合わせた最適なソリューションの提供を実現する。
「everfleet Drive」は、バスやトラック、タクシーなどの車両にTCU(テレマティクス・コントロール・ユニット)を接続することで、車両のさまざまな情報を収集し、運行管理者にリアルタイムで送信できる。これにより車両の維持・管理を効率化し、管理工数の削減と生産性の向上が図れる。
また、走行状況を可視化することで、安全運転意識の向上や事故リスクの低減も期待できる。さらに、天候や交通状況に応じた最適なルートの提案と、それによるCO2削減も可能。車両の運行記録やドライバーの労働時間を一括管理することで、労働環境の最適化、法令遵守などもサポートする。
今回、協業を開始するGeotabのソリューションを導入した企業では、さまざまな効果が得られている。例えば、総合食料品配達を手掛ける「Milk&More」では、970台の車両にTCUを取り付けテレマティクスの運用を開始している。データ分析の結果、ドライバーの運転意識が改善され、約21%の自損事故削減、約19%のEV航続距離改善がみられた。その他にも、10%以上の燃費改善と車両維持費の削減や、車両維持管理の自動化によって大幅な負担軽減を実現した企業もある。同ソリューションを導入した多くの企業で多くのメリットを実感しているという。
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