ESRは4月9日、兵庫県川西市東畦野の物流施設プロジェクト「ESR川西ディストリビューションセンター」(川西DC)について、約10億米ドル(約1500億円。1米ドル=150円換算)を投資する最終フェーズの開発を着工したと発表した。
「川西 DC」の3棟目で、主要施設開発としては最終フェーズとなる「ESR 川西ディストリビューションセンター3」の開発をスタートした。同社グループの39番目の物流施設となる「川西 DC3」は、敷地面積 21万1442m2・延床面積 43万3141m2、地上9階建て、免震構造のダブルランプ式マルチテナント型物流施設となる。2025年4月に着工し、2028年2月に竣工を予定している。
1階は両面バース、倉庫の梁下有効高は1階・6.5m、2階-8 階5.5m、床荷重は1階2.0t/m2、2階-8階1.5t/m2、柱ピッチは11m×11mを確保。1フロアを最大6分割・最小区画1600坪とするなど、物流の効率化を促進し、輸送ハブやトランスシップ物流、ストレージ、自動倉庫などあらゆる事業者の多様なニーズに応える汎用性の高い設計にしている。
休憩ラウンジと 24 時間営業の「R:SHOP(アール ショップ)」を完備する。また、同社が人材確保と女性のキャリア形成の一助になると考え、産休明けの職場復帰や子育て世代の支援策として注力している無料の託児所「R:KIDS(アール キッズ)」も設置し、稼働後に開園する計画だ。
建物エントランスのスロープや館内のバリアフリー設備、優先駐車場の確保など、車いすユーザーや障害がある人にも安心して働いてもらえるよう設計している。また、ドライバー専用の休憩室、トイレも完備し、トラック待機場も十分確保するなど、ドライバーにも配慮した施設づくりを行う。
さらに、入居企業の雇用促進とワーカーの通勤利便性向上をサポートするために、駐車場は1000台、バイク駐車場・駐輪場も130台確保する計画だ。
「川西DC3」に代表される「川西DC」の最終フェーズの開発の重要性について、ESRグループのスチュアート・ギブソン共同創設者兼共同CEOは「『川西 DC』は、ESR の施設開発の1つの到達点。顧客の物流スペースに対する需要は、サプライチェーンの再構築と一定規模以上の大規模施設不足などの影響で著しく高まっている。『川西 DC』には、ESRが長年培ってきた物流施設開発のノウハウが凝縮されている。将来に目を向け、物流業界に対する深い知見とリソースを持つ専任チームを形成して、迅速にプロジェクト開発を進めていく」と述べている。
■概要
所在地:兵庫県川西市東畦野字長尾1-6-26
※地番は竣工後に決定
敷地面積:[川西DC全体]50万5281m2(15万2848坪)
[DC3]21万1442m2(6万3961坪)
延床面積:[DC3]43万3141m2(13万1025坪)
用途地域:工業地域
構造:[DC3]地上9階建・PCaPC造・免震構造
着工:[DC3]2025年4月
竣工:[DC3]2028年2月(予定)
設計・施工:五洋建設
アクセス:(車)新名神高速道路「川西IC」より3.9km
(電車) 能勢電鉄妙見線 「一の鳥居」駅より200m
ESR/兵庫県川西市に12.46万m2のマルチテナント型物流施設を満床竣工