グンゼは8月26日、グループのグンゼ物流が西宮・岡山物流センターで産業廃棄物ゼロを達成したと発表した。
グンゼ物流は本社を兵庫県に置き、アパレル製品の倉庫管理・出荷業務を担っている。西宮物流センターではこれまで、商品入荷時に使用する軟質ポリプロピレン製の梱包袋や、製品を吊り下げるためのポリプロピレン・ポリスチレン製のハンガー類など廃棄物として処理していた。
プロジェクトのきっかけは、市の条例変更により2024年度から廃プラスチックが産業廃棄物として扱われることになったこと。西宮物流センターでは2023年度に約7万トンの廃プラスチックを排出しており、年間約230万円のコスト増が見込まれていたという。
実施にあたり、壁となったのはプラスチック類を細かく材質別に分別する作業。当初、現場にとって大きな負担だったが、約40名のスタッフは作業全体を動画で共有するなど工夫しながら取り組み、2024年11月「産業廃棄物ゼロ」を達成した。
この成果を岡山県にある岡山物流センターにも展開し、現在は2拠点で産業廃棄物ゼロを実現している。
さらに、両センターで回収したポリプロピレン製の袋を、紳士インナーウエアなどに使用するハンガーへ再生するスキームを構築。年間で約35万本の再生ハンガーを生み出しているという。
今年7月には、栃木県の宇都宮物流センターへプラスチックフィルム圧縮機を導入し、再生ハンガーの生産能力をさらに向上させている。
グンゼは今年5月に策定した中期経営計画「VISION 2030 stage2」に基づき、サステナブル経営に取り組んでいる。廃棄物を循環資源として最大限活用するとともに付加価値を生み出すことが新たな成長につながるという認識のもと、従来の経済システムからサーキュラーエコノミーへの移行を推進している。