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物流最前線/ラサール不動産投資顧問 キース藤井社長(インタビュー)

2019年04月24日/物流最前線

<ロジポート大阪大正>
20190424lasalle6 500x334 - 物流最前線/ラサール不動産投資顧問 キース藤井社長(インタビュー)

2019年以降も積極的な開発を推し進める

―― 2019年の開発計画について聞かせてください。

永井 現在は、川崎市東扇島のロジポート川崎ベイと茨城県つくばみらい市の新守谷物流センターの2物件で建設を進めています。川崎ベイでは延床面積30万m2のうち9割以上のテナント企業が決まっていて、5月の竣工時には100%になっていると思います。そのほかについては、すでに荷主企業が決定しているBTSの施設や、マルチでこれからテナントリーシングを始めようとしている案件もあり、BTSとマルチテナントの両方でいくつものプロジェクトを計画中です。開発エリアは首都圏と関西圏で、今年は全ての物件がこの2エリアでの計画となります。今年中に着工するものと、そうでないものがありますが、1物件は夏にも着工する予定です。

―― 今後の投資について見通しは。

永井 今年は結構なペースで投資していくことになると思います。すでに1250億円規模の投資を決めており、これらの新規施設は2020年末までに全て完成させる予定です。

―― それほどに物流不動産の市場環境は良好なのですか。

藤井 今の状況では、投資すること自体はそれほど難しく無いですね。ただ、ロケーションであったり、自社で事業として手がける際に競争優位を保てるかといった所など、投資先の選別が非常に重要なテーマで、難しい点だと思っています。他社との競争も非常に激しく、永井執行役員をはじめチーム全員が団結して取りかからないと競争には勝てないと考えています。

永井 私たちの調査では、入札で競合する企業は30社くらいまで増えており、特に小規模の開発案件の場合に土地取得の段階で何社かとぶつかります。新規参入の事業者ほどハイペースで施設を増やしたいためアグレッシブな見立てをしてくる傾向にあるので、そこと入札でぶつかるとかなり厳しいものがあります。従って、ここは良いという場所に関しては踏み込みますけど、そうではない場所については潔く引きます。それと、他社との共同投資もラサールの強みの一つです。一緒にパートナーとして組むことで相手から学ぶことも多いですし、お互いの良い部分をうまく組み合わせてそれをプロジェクトに注入していけるのは非常に強みだと思いますので、このスキームは引き続き活用していきたいですね。

藤井 ラサールにとって物流施設はとても重要で、それはこれからも変わることはありません。先進的物流施設を必要としているエリアや領域があると思いますので、これからもチャレンジしていきたいと考えています。オフィスやホテルなど、不動産全般で転身や変革が起こっており、私たちはそういった次世代の不動産に大変期待を寄せています。

―― 物流施設開発でも次世代型が誕生しますか。

藤井 そうですね。物流業界でも次世代の波というものが出てくると思いますので、今後はそれに対応した次世代の物流施設を提供していく方針です。これからも、ラサールはテナントニーズをいち早くキャッチし、ビジネスの課題を解決できるような物流施設を提供することで、テナント企業とともに成長していきたいと思っています。

<キース藤井社長(右)、永井まり執行役員(左)>
20190424lasalle7 500x326 - 物流最前線/ラサール不動産投資顧問 キース藤井社長(インタビュー)

■プロフィール
代表取締役社長 キース藤井氏
米国ニューヨーク大学経営学修士(MBA)、米国カリフォルニア大学アーバイン校土木工学科学士。
アジアでの実績が豊富。不動産投資と銀行での経験が25年以上あり、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ、グローブ・インターナショナル・パートナーズ、新生銀行で不動産投資事業に従事し、不動産のエクイティ・デット投資に注力。
20年間にわたる日本の不動産マーケットでの経験に加え、世界各国(韓国、台湾、ドイツ、スペイン、オーストラリア、インド)で投資事業や投資のプラットフォーム構築に従事。その他、中国、フィリピン、シンガポール、イギリス、フランスでの不動産投資業務にも携わる。
2018年3月からラサール不動産投資顧問の代表取締役を務めるほか、ラサールロジポート投資法人のアセットマネージャーであるラサールREITアドバイザーズの取締役を兼務。

執行役員 ヘッドオブロジスティクスチーム 永井まり氏
米国コロラド大学卒業。
日本でのファンドマネジメント、アセットマネジメント業務の責任を担う。LaSalle Japan Logistics Fund seriesの総責任者。
プロパティマネジメント会社入社。プロパティーマネージャーとしてオフィス、商業を中心とした物件の管理運営、不動産の資産価値向上に貢献。2008年、ラサールインベストメントマネージメント(現ラサール不動産投資顧問)入社。
以降、物流不動産投資の中核メンバーとして、数多くの物流不動産の開発・投資案件を手掛ける。冷凍冷蔵倉庫、自動倉庫など特殊な倉庫の開発、また大手デベロッパーとの大規模共同投資事業など、ラサールの物流不動産投資事業の拡大に大きく貢献。2017年より現職。

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