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佐川急便/AIと電力データで不在配送91%減、東大等と共同研究

2019年10月31日/IT・機器

佐川急便は10月31日、「AIと電力データを用いた不在配送問題の解消」に向けた研究開発を、日本データサイエンス研究所(JDSC)、東京大学大学院 越塚登研究室・田中謙司研究室と共同で実施すると発表した。

<3者が協働して不在配送問題の解消を目指す>

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JDSCは、「AIを用いた電力データ解析・活用技術」を保有しており、東大越塚研究室、田中研究室と連携して、スマートメータから得られる電力データを元に、AIが配送ルートを示すシステムを開発。2018年9~10月に東京大学内で行われた配送試験で、不在配送を9割減少させることに成功している。

今年9月には、このシステムを用いて佐川急便の持つ配送実績データによるシミュレーションを実施。その結果、不在配送の削減と総配送時間の短縮など一定の効果が確認されたことを受け、3者共同による研究開発に至った。

今後は3者協働で「AI及び電力データを用いた不在配送回避システム」のプロトタイプを開発し、2020年中の実証実験実施に向けて共同検討を進めていくとしている。

<東大キャンパスで行った実験ルート>

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なお、9月に東大本郷キャンパス内で行われた実験では、予めキャンパス内の各建物に、別途収集した住宅の電力使用データと在不在情報を模擬的に割り振り、電力データのみから最適ルートを提示するシステムの性能評価を実施。

システムを用いる場合と用いない場合で2輪車による配送を繰り返した結果、システムを用いた場合の配送成功率は98%となり、不在配送は91%減少、総移動距離を5%減少できた。

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