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佐川急便、日本GLP/災害時での事業継続で相互協力を締結

2020年12月09日/CSR

佐川急便と日本GLPは12月9日、「災害時における事業継続の相互協力」を締結した。

<災害時協力協定後の体制>
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これは災害時に、両社のリソースを最大限に活用した災害支援活動を実現するもの。佐川急便は「災害物資拠点の物流業務の提供」「災害物資等の輸送力の提供」を行い、日本GLPは「災害物資拠点および施設共用部サービスの提供」「地域住民への一時避難所の提供」を図る。SDGsへの貢献などESG活動を重視し、社会インフラの一部を担う両社による戦略的な取組みとなる。

災害時の「止めない物流」及び被災地支援を通して、地域社会へ貢献できる体系的なプログラムを構築し、今まで各々が単独で実施していたが、2社の連携によりお互いを補完し合う関係を構築。この取り組みは全国的にも初めてのものだ。

災害時協力協定によって具体的には、佐川急便が「避難所への支援物資の輸配送」「支援物資集積拠点の管理・運営」「物資の保管・入出荷と需給バランスの最適化」「コールセンター等のサポート」を実現する。

日本GLPは「避難所としての物流施設共用部の提供」「災害物資搬送車両の待機場所の提供」「災害復旧作業への従事者にアメニティを提供」「GLPグループが展開する各種サービスの提供 例:GLP拠点以外の空き倉庫のサポートなど」を実現。

これにより、「避難所の人々へ、可能な限り最短のリードタイムで支援物資を提供」「各自治体との強固な防災体制の構築」「各自治体における災害時支援業務の負担を削減」する。そして、地域社会との交流を通して、安全対策の啓蒙、避難訓練など、災害への意識を高める活動を各自治体と連携し実施するとしている。

<締結式の様子 佐川急便の本村正秀社長(左)と日本GLPの帖佐義之社長(右)>
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日本GLPの帖佐義之社長は「提携の背景には東日本大震災の出来事がある。当時東北地方で7か所の施設を運営していたが、2か所は応急措置で何とか運営できるようにしたが、それを聞いた宮城県から災害支援物資の保管場所として利用させてほしいとの要請があり、当社も協力することができた。また、仙台空港近くの施設では津波が押し寄せてきたときに、とっさの判断で従業員が外に逃げずにランプウェイを上り上層階に避難したおかげで、140名の従業員全員が助かった。我々の施設は支援物資の保管と防災拠点・避難場所のふたつの役割を持つ。ただ、輸送手段がなく、そこで佐川急便さんと今回の相互協力提携を結び、オープンハブとしての役割を持たせようと考えた」と述べた。

<佐川急便の支援物資の円滑な調達とラストマイル物流>
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また、佐川急便の本村正秀社長は「今回、日本GLPさんとの相互協力締結で物流施設利用で効果的な災害支援がを行うことができると思っている。当社は阪神淡路大震災や東日本大震災、熊本地震、九州北部豪雨等でさまざまな支援活動を行ってきたが、苦労したのが従業員の食料や宿泊施設。日本GLPの施設ではアメニティ類も整っており、施設提供はありがたい。物流はまさしくライフラインの一つ。被災地に当たり前に物資を届けることが今回の協定の大きな意義だ」と話した。

佐川急便は国土強靱化貢献団体認証(レジリエンス認証)制度において、レジリエンス認証を取得。運輸業・郵便業では、佐川急便が第1号認証だ。

なお、今後に向けては、この2社間協定から地方自治体を含めた官民連携の3者協定に発展させ、より効果的な運用を目指す。日本GLPと佐川急便では千葉県流山市とすでに協議を進めており、この1月ほどで協定がまとまるものとみている。内容的には、佐川急便が支援物資に関わる総合的な業務を担当、日本GLPが災害に強い物流施設の提供となる。さらに、平時からマニュアルの作成や安全教室、避難訓練等を企画するなどしているという。

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