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日本郵船グループ/大阪湾で船舶をAI操船

2020年12月10日/IT・機器

日本郵船は12月10日、グループ会社のMTIと日本海洋科学(JMS)が、大阪湾で実船によるAI操船試験を12月9日に行ったと発表した。

<試験に使用された神戸大学の練習船「深江丸」>
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試験は、神戸大学、大阪府立大学と共同で研究する「人工知能をコア技術とする内航船の操船支援システム開発」の一環として行われた。

同研究では、AIによる深層強化学習(試行を繰り返すことで自律プログラムが最適な行動選択を学習する機械学習手法の一つ)を応用。膨大な数の航海シミュレーションを通して徐々に最適な避航行動を学習し、さまざまな状況下で安全性と経済性に優れた避航操船行動を選択できるプログラムの開発を目指している。

開発しているAI操船機能は、船舶操船空間のリスクをレーダー・AIS(船舶自動識別装置) などのセンサー情報をもとにAIが把握し、自動で最適な針路を選択、その針路を既存のオートパイロットに伝送することで操船制御を行うもの。

<実船試験中の深江丸内>
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今回の試験は、JMSの操船シミュレーターでのプログラムの操船能力の定量的評価や熟練操船者による評価を経て、神戸大学の練習船「深江丸」の操船システムとAI操船支援システムを連結して行い、航行中の他船や障害物に対する避航行動を確認・評価した。

今後、日本郵船グループでは、今回の実船試験で得た知見をもとにシステムの改良を重ね、将来的にAI操船支援システムを使った大型船の操船の実現を目指すとともに、有人自律運航船や無人運航船への技術展開にも取り組んでいくとしている。

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