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ユーグレナ/バイオ燃料による物流ドローン飛行に成功

2021年03月17日/IT・機器

ユーグレナは3月16日、エアロジーラボ(AGL)と、ユーグレナのバイオ燃料を採用した、AGLの小型ドローン「AeroRange QUAD」を使って、沖縄県の竹富島と石垣島の間でのドローンを活用した物流実証試験を実施したと発表した。

<「AeroRange QUAD」が飛行する様子>
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<ドローン飛行ルート>
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実証試験では、「AeroRange QUAD」を使用し、ユーグレナのグループ会社であるユーグレナ竹富エビ養殖が養殖したクルマエビ1kgを竹富島から石垣島に輸送した。試験には、農機具などを手がけるKOBASHI HOLDINGSと、科学技術分野の教育、人材育成などを行うリバネスも協力した。

<バイオ燃料給油の様子>

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「AeroRange QUAD」は、エンジン発電機とバッテリーを搭載することで最大飛行時間が150分、最大ペイロードは4kgの小型機種。バイオ燃料は、ユーグレナのバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントで製造されたものを使用した。

バイオ燃料は、微細藻類ユーグレナと使用済み食用油などが原料で、燃料の燃焼段階ではCO2を排出するが、ユーグレナが成長過程で光合成によってCO2を吸収するため、燃料を使った際のCO2の排出量は実質的にはゼロとなるという。

今回の試験は、離島間物流の課題解決を目的に実施。離島では、新型コロナウイルス感染症などの不測の事態が発生した場合には船や飛行機が減便や欠航し、長い間で必要物資が届かない状況が起こりうる。2社では、そうした状況に対し、ドローンを使うことで物流網の確保が可能になるとしている。

また、試験で運んだユーグレナ竹富エビ養殖のクルマエビについて、物流網が途絶する非常事態でも迅速な運搬ができることを確かめた。

ユーグレナ竹富エビ養殖のクルマエビは、新型コロナウイルスが拡大する中で、フェリーの減便が相次いだことに加え、届ける手段が限られたため、通常の出荷ができない時期が続いていた。試験によってドローンを使えば、物流網が途絶する事態でも迅速な運搬が可能になることがわかったことで、物流網の課題解決につながるとしている。

2社では、ドローンを使った物流分野で、バイオ燃料を活用することで、離島間物流をはじめとする物流の課題の解決と環境に配慮した物流を促進していくという。

■実証実験の内容
日程:3月16日
飛行区間:竹富島竹富港-石垣島石垣港
飛行距離:約5.5km
機体:AeroRange QUAD
運搬物:ユーグレナ竹富エビ養殖で養殖されたクルマエビ1kg
燃料:ユーグレナが製造するバイオ燃料

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