LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





日本郵船/アンモニア燃料供給船の基本設計承認(AiP)を取得

2022年09月28日/IT・機器

日本郵船は9月28日、開発中のアンモニア燃料供給船(Ammonia Bunkering Vessel:ABV)について、9月27日に日本海事協会(以下「ClassNK」)から基本設計承認(Approval in Principle:AiP」)を取得したと発表した。

<証書授与式の様子 左から日本海事協会 松永 昌樹 執行役員技術本部長、日本郵船 山本 泰 工務グループ長>
20220928nyk1 520x390 - 日本郵船/アンモニア燃料供給船の基本設計承認(AiP)を取得

ClassNKから海運会社単独でABVのAiPを取得する事例は国内初となる。

同社グループでは、外航海運事業でのGHG排出量削減の長期目標を「2050年までのネット・ゼロエミッション達成」と定め、環境負荷の低いアンモニアや水素などの舶用燃料を使用するゼロエミッション船の投入を目指し開発を進めている。今回AiPを取得したABVは、2020年代後半からの普及が予想されているアンモニア燃料船への燃料補給船として使用予定だ。

ClassNKのAiP取得に必要な各種図面作成は、同社工務グループ内に2021年10月1日付で新設したプロジェクトエンジニアリングチーム(PET)が担当した。PETでは、これまで造船所などで作成されていた設計図面を独自で作成し、かつ、通常は造船契約後の詳細設計段階に行われる、図面と紐づいた3Dモデルの作成を初期段階のコンセプト設計で導入する先進的な手法を用いた。

これにより、AiP承認の際のアンモニアによる危険場所や脱出経路に関するリスクアセスメント(HAZID;Hazard Identification Study)において、より深い議論を実現し、アンモニアの毒性等に対して十分な安全対策を織り込んだ仕様を考案する事が可能となった。

なお、同3Dモデルは、ClassNKにおけるAiPの図面承認過程において初めてその一部が2D図面の代替として使用され、開発プロジェクトにおける3Dモデルの役割を大幅に拡大させた。同社は、今後も更にコンセプト開発や、建造、船舶管理へ適用を広げる事で、3Dデータの活用機会を最大化することを目指す。

<アンモニア燃料供給船の3Dモデル>
20220928nyk2 520x292 - 日本郵船/アンモニア燃料供給船の基本設計承認(AiP)を取得

また、ABVのコンセプト考案には、同社が2020年10月から運航を開始している国内初の液化天然ガス(LNG)燃料自動車専用船および、関連会社のセントラルLNGマリンフューエルが運航している国内初のLNGバンカリング船のLNG燃料供給体制から、それぞれ得られた知見を活用している。

関連記事

IT・機器に関する最新ニュース

最新ニュース