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佐川急便/Xフロンティアに2社の自動搬送ロボットを同時導入

2022年12月12日/IT・機器

佐川急便は12月12日、グループの次世代型大規模物流センター「Xフロンティア」内にある同社の中継センターで、2種類の自動搬送ロボットを12月1日から導入したと発表した。

同センターでは、ベルトコンベア等で構成される自動仕分け機で9割の荷物を処理しているが、自動仕分け機に乗らない大型で不定形の荷物は人の手で仕分けられ、台車で搬送していた。過去にロボットの導入による自動化を試みたものの、24時間絶え間なく荷物と人が行き交う環境下で、臨機応変に搬送工程を効率化できるロボットがなく課題を抱えていた。

この課題に対して、同センター1階にプラスオートメーション(+A)のAMR(Autonomous Mobile Robot、自律走行搬送ロボット)「JUC-S800R」12台を、3階にLexxPlussの自動搬送ロボット「Hybrid-AMR」12台を導入し、それぞれのフロアで大型不定形貨物の搬送を自動化した。

<「Xフロンティア」内の佐川急便中継センター1階で稼働する「JUC-S800R」>
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1階に導入した+Aの「JUC-S800R(Juck-up Carrier SEER 800 Rotate)」はジャッキアップ型の汎用自律搬送ロボットで、回転ローター機構搭載によって搬送物を回転させずに自動積み下ろしが可能。

最大800kgの重量物を搬送可能で、走行に磁気テープなどの誘導体を必要とせず、レイアウト変更なしで導入することができる。

群制御による大物仕分けに対応しており、+Aの自社開発WES(Warehouse Execution System、倉庫実行システム)「+Hub」と接続することで、多彩なアプリとの連携や機能拡張が可能になっている。

なお、今回の導入では「JUC-S800R」5台を実証実験(PoC)として導入し、ヒトとロボットが同じ動線上で働くハイブリッドなオペレーションを検証。約2か月という短期での検証によって活用の目途がついたことから、この度本導入に至った。

<「Xフロンティア」内の佐川急便中継センター3階で稼働する「Hybrid-AMR」>
20221212sagawa1 520x293 - 佐川急便/Xフロンティアに2社の自動搬送ロボットを同時導入

3階に導入したLexxPlussの「Hybrid-AMR」は、自動運転と同様に自律的に障害物を検知・迂回できるAMR(Autonomous Mobile Robot、自律走行搬送ロボット)技術と、繰り返し精度と作業スピードを保証できるAGV技術(AGV:Automated Guided Vehicle、無人搬送車)を併用できる自動搬送ロボット。

佐川急便 中継センターでは、同ロボットの基本機能に加え、搬送先の状況にあわせて規則正しく荷物を駐車する「自動整列駐車機能」や、空台車を回収する「空台車回収機能」などの最新機能を実装し、荷物や台車の滞留を軽減する方法で自動搬送システムを導入した。

また、LexxPlussの走行管理システム「Konnectt」は、日本語を母語としない作業員でも利用可能な言語非依存性のインターフェースや、50台以上のロボットを一括管理する機能を持ち合わせており、ロボットの運用になれていなくても、シンプルな作業のみで現場作業の大規模な自動化が可能。

佐川急便とLexxPlussは、今後運用中のデータをクラウド上に蓄積・分析することで、さらなる搬送効率向上に向けて取り組んでいくとしている。なお、LexxPlussは「2020 SAGAWA ACCELERATOR PROGRAM」で審査員特別賞を受賞している。

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