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両備トランスポート/2つの“R”実現でドライバー不足を解消

2023年06月13日/SCM・経営

両備ホールディングスの社内カンパニーで物流部門を担う両備トランスポートカンパニーは6月13日、2024年問題を目前に控え、トラック事業者のイメージを根本的に変え、新たな事業体へ改革する取組みを進めると発表した。

<変革について語る両備トランスポートカンパニーの荒木一守カンパニー長>
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変革のキーワードとして「Resilience(レジリエンス)&Rewarding(リワーディング)」を掲げ、この2つの“R”を実現することで、長年物流業界が課題としてきたドライバー不足に対して同カンパニーが解決の糸口となり、業界を牽引する想いで挑んでいく。具体的には、トラックドライバーが会社を選ぶ際に求めると言われる要素、将来性、規模・安定性、給与、休日数、時間、教育体系、雰囲気を網羅した取組みを推進する。

「Resilience(回復力・復元力)」では、会社にどんな困難や脅威に直面しようともしなやかさ・柔軟さを発揮することで乗り越え、成長軌道へ戻れる力を持つための改革を実行する。

Resilienceな取り組みとしては、2022年4月に「物流で地域の豊かな未来を創る」を標榜したトランスポートの経営方針となる「RYOBI TRANSPORT WAY」を策定し、SDGs、カーボンニュートラルの実現に向けて、輸送だけでなく、新たな付加価値を提供できる事業体への改革を進めている。

また2023年4月にはブランド戦略を策定。物流業界の「3K(きつい・汚い・危険)」職場のイメージを払拭し、「適正な労働時間・クリーンな職場・安全最優先の職場づくり」を目指すとともに、トラック輸送にとどまらない新たな事業領域への取組みを発信し、業界のイメージ転換を図る。

成長戦略としては、「岡山・瀬戸内でのグループシナジーを生かした事業領域の拡大」「M&Aも視野に入れ、伸長が見込める地域への進出を加速」「危険品やリサイクルなど、高付加価値事業へ領域を拡大」「アライアンスを強化し、パートナーシップを構築」「海外事業の次なる投資(進出しているASEANではベトナム第2弾進行中)」を挙げている。

「Rewarding(満足感・やりがい)」では、満足感ややりがいを感じることで社員が仕事に誇りを持ち、笑顔で日本の物流に貢献できる環境作りと待遇改善を実行する。

社員の待遇完全のため、給与面で2023年4月から乗務担当社員の定昇ベアでの昇給を平均5%アップ(約1万7100円アップで過去最大の昇給)した。

また、休日については、事務系社員の実質年間休日を111日から120日への改定を段階的に進めており、今後は乗務担当社員を含めた技術系社員にも展開していく予定。

労働時間については、乗務担当社員の労働時間短縮のため、高速道路活用、パレット利用、荷役業務の削減、到着予約システムの導入等を進め、2024年4月より適用される厚生労働省告示「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)」に対応。今後は、同じく両備グループのICT部門である両備システムズと連携し、デジタル技術を取り入れた物流プラットフォーマーを目指すことで、さらなる生産性向上を図っていく。

教育面では、大型自動車免許等資格取得のサポートとして、取得費用を会社が1回に限り全額負担している。

このほか、今後の展開として、乗務担当社員の楽しさ、会社の魅力を発信する企画を始動。トラックドライバーという職業や、両備トランスポートカンパニーについて知ってもらう機会を増やすため、同カンパニーのコーポレートサイト内に専用ページを開設し、乗務担当社員のインタビューなど会社の雰囲気が伝わる情報を7月から定期的に掲載していく。

<手前の1台が「ゴールドR」、残りの3台が「WONDERFUL SETOUCHI TRUCK」>
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また、両備トランスポートカンパニーは変革の取り組みの第一弾として、長年の伝統から心機一転、新しい気持ちで挑む覚悟と、トラック業界に美しく爽やかなイメージを吹き込むため、半世紀ぶりにトラックデザインを一新した。

これからの変革への決意表明を込めた新生・両備トランスポートの象徴ともなる新デザインのスタンダードトラック「ゴールドR(愛称)」に加え、ブランド戦略の一環として、楽しくスマートに岡山・瀬戸内の良さを感じ取ってもらえる「WONDERFUL SETOUCHI TRUCK(通称:ワンセトトラック)」も新たに3台製作した。

ゴールドRは、6月12日現在で13台を導入しており、今後は国内で保有するトラック447台を年間約50台、約9年をかけて新デザインに順次切り替えていく。投資額は1台あたり約2000万円(新車購入費を含む)で、年間約10億円を予定している。

WONDERFUL SETOUCHI TRUCKは、2種類のデザインを採用。今後は社内や顧客等の感想をもとに台数の増加について検討する予定(投資額は1台あたり約2000万円)だ。

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